検査機の放射線量8割減 フィリップスが医療革新
編集委員 大西康之

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2014/5/12 7:00
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オランダの医療機器大手、ロイヤル・フィリップスが最先端の画像診断装置で攻勢をかけている。同社のヘルスケア部門が掲げるテーマは「Solution for better care at lower costs(低コストでより良いケア技術を)」。いたずらに先端技術を追うのではなく、患者に優しく、医療従事者にとって使いやすいイノベーションを目指している。画像診断装置の開発競争は新たなステージに入った。

フィリップスエレクトロニクス・ジャパンのインジェニュイティーTF・PET/CT

フィリップスエレクトロニクス・ジャパンのインジェニュイティーTF・PET/CT

フィリップスエレクトロニクス・ジャパン(東京・港)は昨年11月、画像診断装置の新機種「インジェニュイティーTF・PET/CT」(価格は15億円から)を発売した。腫瘍組織の糖代謝レベルの上昇といった生体の機能情報を読み取る陽電子放射断層撮影装置(PET)と、臓器などの形態情報を見るコンピューター断層撮影装置(CT)の機能を1台に統合し、ずれがない組み合わせの画像を得られる。

■日々の仕事を「間違えにくく」

画像ノイズの低減などで診断装置としての性能を引き上げたのはもちろんだが、同じ画質を得るために必要なCTの放射線照射量を最大で8割低減している。被曝(ひばく)量の低減は患者と検査医の負担を軽くする。使う側の視点に立った重要な革新といえる。

フィリップスが画像診断装置の開発で重要視しているのは、実際に装置を使う検査技師や画像を読み取る読影医師の日々の仕事を「疲れにくく」「間違えにくく」するための改良だ。そのためには検査時の被曝量を低減したり、装置の性能向上やワークフローの改善で検査時間を短縮したりすることが大切になる。インジェニュイティーTF・PET/CTはこうした部分できめ細かい改善がなされている。

「iサイトPACS」と呼ぶ病院向けの情報共有システムには、読影医師の目の負担を軽くするため読影室の調光に発光ダイオード(LED)照明を採用した。画像をパワーポイントに張り付け、検査医師や診断医師と画像情報を共有することもできる。同システムには、医療現場からのリクエストにこたえ、読影医師が検査医師や診断医師とリアルタイムで対話できるチャット機能も付けた。

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