タンクロー・泥鰌庵…デジタルの力で名作を後世に
野呂エイシロウ(放送作家・戦略PRコンサルタント)

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2014/7/8 7:00
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群馬県富岡市の富岡製糸場と絹産業遺産群が先月、世界遺産に認定された。日本で18番目の世界遺産である。世界遺産とは人類が共有すべき「顕著な普遍的価値」を持つ自然や景観、遺跡、建物など物件で、移動が不可能な不動産やそれに準ずるものが対象だ。現時点で世界1007カ所が指定されている。

ロボット漫画の元祖、阪本牙城の「タンク・タンクロー」は80年の時を経て電子書籍で復活

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大切なものを後世に残す試みは世界遺産に限らず、デジタル分野でも積極展開されている。米グーグルは世界中の地図や風景をデジタル化して、「グーグルアース」や「グーグルストリートビュー」などのサービスで提供している。東日本大震災前後の被災した福島県の姿や、通称「軍艦島」と呼ばれる長崎市の端島も撮影、保管している。

もう1つの重要な取り組みが「グーグルブックス」というサービスだ。米国を中心に世界中の書籍をスキャンして後世に残す試みが進んでいる。

デジタル化するメリットは実物のように傷んだり永久に消失したりする可能性が少ない点だ。世界遺産も実際に風雨にさらされ経年劣化する。図書館の蔵書も紙だと汚れて破れ、虫に食われたり被害や焼失や紛失の可能性もある。実物は同時に万単位の人が同時にコンテンツを読むことは不可能だが、デジタルなら場所と時間と閲覧数は無限に広がる。

実際、読みたいマンガや書籍が手に入らないことは非常に多い。東京・神保町の古本屋街で、目的の古い本を探すのは至難の技である。特に廃刊のものは難しい。アマゾン・ドット・コムでも中古本を全部カバーするのは無理だ。

電子書籍で漫画を多数展開するイーブックイニシアティブジャパンは今月1日、「タンク・タンクロー」の作者である阪本牙城の作品を電子書籍でリリースした。1934年に雑誌「幼年倶楽部」(大日本雄弁会講談社)で連載が始まった同作品は、田河水泡の「のらくろ」や島田啓三の「冒険ダン吉」と並び、昭和初期の子ども達に圧倒的な人気を誇ったという。

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