「あったらいいな」極める 技能より発想力で勝負
スタートアップスinUSA(5)

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2014/4/7 3:30
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 時流に乗った新しいビジネスの場をつくってきたのは、特異な技能よりも発想力だ。見知らぬ人と物やサービスを共有するシェアや、埋もれていたニーズを引き合わせるマッチング――。「あったらいいな」のアイデアが既存の需要の隙間をこじ開ける。

ブレーンストーミングはガラス扉がボード代わり(アーツィーのオフィス)

ブレーンストーミングはガラス扉がボード代わり(アーツィーのオフィス)

■美術界の「アマゾン」目指す

「大学の寮の部屋に絵を飾りたかったのに、ネットで見つからなかったんだよね」。アートビジネスに新風を巻き込んだギャラリー仲介サイト、アーツィー。最高経営責任者(CEO)、カーター・クリーブランド(27)は自分のニーズを商機に変えた。

目指すのは美術界の「アマゾン」だ。2万5千人超の作家のデータベースをそろえ、アルゴリズムを使ってある美術品を好むユーザーがほかにどんなものを望むかを関連づけて薦める。提携しているギャラリーから月約4万~14万円を得る収益モデルだ。

ニューヨークの摩天楼を見下ろすオフィスにはキッチンや卓球台。センスと遊び心に溢れる。フェイスブックを生んだ投資家、ペイパル創業者のピーター・シールらから1400万ドル(約14億5000万円)の資金を調達し、約70人を雇用するまで成長した。

だが、起業当初は「月の食費は20ドル。その頃食べ過ぎた卵の白身は匂いもかぎたくない」と苦笑する。2008年の米金融危機。リーマン・ブラザーズに勤めていた母は一夜にして失職した。「仕事は情熱との両立を」。一家に重い空気が流れるなか、両親が起業を勧めてくれた。

08年以降、米国で失われた雇用は880万人。名門大でもほとんどの卒業生が職に就けなかった。逆境をバネに、難局をアイデアに変えた。

■3カ月間みっちり起業教育

米ビジネス情報誌が3月に発表した「シリコンバレーで最も格好いい(クールな)人物ベスト100」に、フェイスブック創業者のザッカーバーグらに交じって選ばれた日本人がいる。新興企業向けの福利厚生サービスというニッチ市場を開拓したエニーパーク(サンフランシスコ)の創業者、福山太郎(26)だ。

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