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英アストラゼネカ、買収の最終提案も拒否

米ファイザーに

(更新)

英製薬大手アストラゼネカは19日、米同業ファイザーによる買収提案を再び拒否すると発表した。ファイザーは18日、買収総額を約693億ポンド(約11兆8500億円)に引き上げると発表し「最終的な提案」としていた。ファイザーは現時点で敵対的TOB(株式公開買い付け)の可能性は否定しており、国境を越えた再編で世界首位を目指す戦略が暗礁に乗り上げた格好だ。

アストラゼネカの取締役会は19日の声明で、提案に対し「当社の価値を過小評価している。株主に不確実性とリスクをもたらす」と強調した。

ファイザーは16日にはアストラゼネカの株主に1株当たり53.5ポンドを割り当てる提案をしていた。アストラゼネカの取締役会はこれを少なくとも10%上回る水準(58.85ポンドに相当)に引き上げれば「株主に(賛同を)勧める用意」があった。だがファイザーの新たな提案は同55ポンドにとどまり、拒否を決めた。

アストラゼネカはもともとスウェーデンのアストラと英国のゼネカが合併して誕生した会社だ。今回の買収提案については、ファイザーが両国で過去に大規模な人員削減をした経緯などから慎重な意見が続出した。

ファイザーは反対論を受けイアン・リード最高経営責任者(CEO)が、キャメロン英首相に書簡を送った。その中で(1)新会社の税務上の居住地を英国にする(2)英ケンブリッジでアストラゼネカが計画中の研究開発拠点は完成させる(3)研究開発員の20%は英国におく――などを提案して、理解を求めた。だが議会などで反対論は収まらなかった。キャメロン首相は今回の「破談」について「ニュートラル(中立)」との見解を示した。

欧州メディアは、1株当たり55ポンドで賛同する株主も出てくる可能性があると報じていたが、英国、スウェーデン政府の「側面支援」もあり、アストラゼネカ経営陣がファイザーに対抗し続けることに自信をつけていた。

19日のロンドン株式市場ではアストラゼネカ株が大幅安となった。一時は前週末の終値比15%安となる40.98ポンドまで下落した。買収の可能性が大きく遠のいたことを受けて失望売りが出た。市場関係者の間では、アストラゼネカがファイザーと協議することなく提案を拒否したことについて不満の声も出ている。

両社は昨年から接触を始めており、ファイザーによる4度の買収提案が拒否されたことになる。英国の法律では26日が現在の買収提案の期限。ファイザーのリードCEOは声明で「建設的な取り組みのための時間がなくなりつつある」と言及。アストラゼネカ株主が同社経営陣に働き掛けない限り、交渉が打ち切られる可能性が高い。

ファイザーは成長の鈍化をM&A(合併・買収)で補ってきた。新薬候補が不足する中、今回の買収計画も製品の幅を広げるのが狙いだった。19日のニューヨーク株式市場でファイザー株は小高く推移。財務負担が避けられることが好感されたとみられるが、成長に向けた新たな一手が求められそうだ。

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