2019年3月24日(日)

みなさんから寄せられたアイデア(2月7日)

2011/2/7 6:00
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未来面は、日本経済新聞社が読者と企業のみなさんと、ともにつくっていく紙面です。

2020年に向けて、日本が「世界一、イノベーションが進む国」になるために、どうすればいいのか――。今回も第21回、第22回に続き、12月から年始にかけて募集したテーマに対するアイデアの一部を紹介します。投稿していただいた223件の提言の中で目立っていたのが、人と人が刺激しあうのが重要だとの指摘でした。そこで3部作の最終回となる今回は「世界一、人が交わり価値を生む国」と題し、多様な人の交わりを革新につなげる方策についてまとめてみました。(投稿者のお名前は敬称略とさせていただきました。アイデアナンバーは第1回からの通し番号で先着順です)

アイデア.2411

「革新コンテスト」

織田 新一(39)東京都 会社員

日本に世界中から革新的なアイデアが集まるような知識創造の場をつくる。フェイスブックやツイッターなど世界の人たちが参加しているサイトを活用し、イベントや交流会も仕掛けていく。世界は自分の考えを発信したい人であふれている。投稿者には「着目された」という名声さえ与えればいい。

特別な報酬など用意しなくても、アイデアは集まるはずだ。よりよい何かを生み出そうという共通の目的のもとで、参加者同士が競い合い、協力し合うようなムードをつくればいい。日本企業は集まったアイデアを編集し、活用していく機能を果たす。海外のいいところを取り入れて、もっといいものにしていく能力は、もともと日本企業の得意な分野だ。

政府はアイデアを基にした新事業に対し、法人税の減免などの優遇策を用意し、アイデアの具体化を後押しする。自分のアイデアが実用化されるかもしれないといった期待が、さらなる投稿を促す。

アイデア.2406

「シニアタウン」

佐藤 泰(42)青森県 会社経営

さびれてしまった地方の町に活気を取り戻すことこそが、日本を活性化しイノベーションを巻き起こす原動力になる。シニアの住みやすさを徹底的に追求した町をつくってみたらどうか。町の軸になるのは巨大な介護施設。最先端の設備を備えた医療機関に、温浴施設や高齢者向けの娯楽施設、生涯教育のためのカルチャースクールなど、あらゆる機能を提供する。

魅力を感じた高齢者が町に集うようになれば、町ににぎわいが戻り、高齢者を対象とするビジネスも発展する。これが新たな雇用を生み、若い人やその家族を呼び寄せる好循環が生まれる。高齢者自身が若い時の経験とノウハウを生かし、新しいビジネスを立ち上げるケースも出てくるだろう。

町には高齢者と子供が一緒に遊べる施設もつくり、触れ合いのなかから新しいアイデアが生まれる仕掛けも用意する。地方自治体や地方経済だけでは限界があるかもしれない。政府が率先してこうした町づくりを推進し、日本を創造力豊かな国にしていく努力をすべきだ。

アイデア.2459

「学生創発交流会」

山川 勝弘(21)大阪府 学生

大学生同士がつながり合い、何かを生み出す新しい学びの場を提案します。国際協力、環境、教育、経済、政治など、大学や学部を越えて議論すべきテーマを設定。大学に働きかけたり、ネットを活用したりして、参加する学生を広く募ります。

様々な分野で精力的に活動している学生がまず自分の考えを発表し、それに対して参加者と討議していくといった仕組みです。発表の内容はウェブでも公表し、会場に来られなかった学生や学生以外の人にも見てもらいます。ウィキペディアのように各テーマについて、不特定多数の学生が編集しあいながら、考察を深めていくといった仕組みも面白いでしょう。

ツイッターなどを活用して、イベント開催後も学生の交流を広げていきます。学生たちの知恵と知識の融合を促して、イノベーションのきっかけをつくるのです。

アイデア.2479

「言うNO!ベーション」

松本 康児(38)神奈川県 サービス

イノベーションを発揮するには、職場の風通しを良くしていく必要があります。「NO!」と言えないような組織では、革新的なイノベーションは生まれません。言う「NO!」ベーションから始めるべきなのです。従業員を大切にする家族的経営は、戦後の日本の発展を支える原動力のひとつになりました。

意見を言い合える風通しの良い職場が、家電や車の技術革新を生み出しました。ところが効率化の名のもとに、そうした日本の良い部分は失われてきています。再設計が必要です。風通しのよい職場を日本中にいくつもつくり、それらを互いに結び付けていくのです。明治維新は、一部の武士たちの「NO!」という心からの叫びが革新につながりました。高い志を持ち「NO!」と言える人材を育成し、登用していくことも必要です。

アイデア.2599

「社員交換SNS」

入口 慎平(25)東京都 無職

企業が優秀な社員を交換し合う制度を提案する。専門スキルを持つ人材をオープン化するのだ。ソーシャル・ネットワーキング・サービス(SNS)のような場を設けて、企業が社外に出せる人と欲しい人の属性を提示。これをもとに人材交換のマッチングを図る。

交換の期間は1~5年。交換中の人件費はそれぞれ派遣先の企業が負担するが、形式上は所属の企業が支払う形にして雇用契約を維持する。一方的に社員を送り出したり、3社で三角トレードのように交換できたりする。優秀な人材を自社で囲い込むのはもうやめるべきだ。

自社の強みとなっているような人材を交流させれば、様々な創発が起こり、イノベーションの可能性が飛躍的に高まる。ライバルは国内企業ではない。国外企業なのだ。この協働モデルをいち早く取り入れ、魅力的な国づくりにつなげてほしい。

アイデア.2586

「中小武者修行」

池山 紀男(60)大阪府 会社経営

日本の中小零細企業をこの半年間、数多く見てきました。発想力の豊かな社長が多く、彼らの持つバイタリティーには感銘を受けました。大企業で働く優秀な若手社員を出向のかたちで中小企業に派遣してみてはどうでしょうか。

期間は1~2年。若いうちに精力的な中小経営者と接すれば、大きな刺激になり、その後の人生観にもいい影響を与えることでしょう。また大組織に所属しているより責任の範囲が広がり、優秀なら会社の経営を左右するような大きな権限も与えてもらえます。同じ組織の中にずっといるよりは、革新的なアイデアが生まれやすくなるはずです。

受け入れる側の中小企業も、人件費の負担なしに優秀な人材の頭脳を借りられます。人選は難しいかも知れません。まずはやる気のある若手に、社会勉強をさせるといった視点で実施すべきです。

アイデア.2388

「会社版トライやる」

柄谷 康夫(50) 兵庫県 小売業

兵庫県で中学生の職場体験「トライやる・ウイーク」が導入されて既に長年が経過しました。教わる学生からは新鮮さが伝わり、教える側にとっても基本の再確認や、ふと気づかせてくれるような学生の言葉・動作もあり、その後の工夫へと発展することもあります。送る側と受ける側、双方の努力が融合して価値観をも変えるプラスのスパイラルに向け、会社にも「トライやる・ウイーク」を導入することを提案します。

日本では、個々には競争力がある技術、会社、人材などが多数存在します。極力違う職種で、毎年同一期間に同人数をベースとし、できるだけ多くの会社と幅広い年齢層の社員同士が交流する。様々な分野での初体験や発見など、革命的な小さな変化の積み重ねが連続性や連携性などをもたらし、日本文化を尊重しつつ世界にも通用するすばらしいイノベーションを生むことでしょう! 会社という字を逆に読むと社会になります。どちらからも支える未来のために!

アイデア.2430

「ワイガヤ復活再生」

西村 捷敏(71) 東京都 無職

今日のような激動激変の市場環境にあっては、他に先んじて需要変化の動向をつかまえ、素早く分析し、その結果を果敢にアクションに結びつけていく企業が、市場を制する。戦後の高度成長を担った日本企業には、多かれ少なかれ、ホンダの「ワイガヤ精神」に象徴されるような仕組みがあったように思う。

社員同士がワイワイ、ガヤガヤと時と場所を選ばずに集まってきて、問題解決に向けて徹底的に新しい発想を出し合って議論するといった仕組みだ。それはどこへ行ってしまったのであろうか。それが閉塞感の原因ではないのか。今、日本がイノベーションを進めていくためには、この「ワイガヤ」の復活再生、その仕組みづくりと動機づけから始めなければならないと思う。

アイデア.2544

「能力開花交流」

レゲヴィー ヨッヘン(46) 東京都 会社員

閉塞感からの突破口を開くには、明治維新、あるいはそれをしのぐような革命的な変化が必要です。明治維新当時、海外から様々な分野の教育者が来日し、教えを受けた者たちは飛躍を遂げました。今日では、欧州や北米の教えを請うのみならず、今世紀の成長の極であるアジアから、原動力になる人材を受け入れるべきです。

イノベーションは異なる視点や技術、洞察力の触れ合いで生まれます。様々な人材を受け入れるマインドが成功の鍵を握っています。イノベーションの語源は、ラテン語の"innovare"です。inは"内にむけてという方向性"、novareは"新しくする"という意味です。今まで受け入れていない人材を海外、特にアジアから受け入れることによって、日本人の潜在能力が開花するきっかけがきっと見いだされるはずです。来日する人々は、母国を離れることにより個々の"innovare"を既に始めています。

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