プレゼン、笑顔が共通語 五輪招致請負人

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2014/2/26付
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2020年東京五輪招致委員会の戦略コンサルタントを務めた英国人、ニック・バーリー氏(46)。招致を決定づけた2013年9月の国際オリンピック委員会(IOC)総会での最終プレゼンテーションの原稿をまとめた。彼が手がけた五輪招致はロンドン、リオデジャネイロ、東京と3連勝した。著書「日本はこうしてオリンピックを勝ち取った!世界を動かすプレゼン力」(NHK出版)の出版を機に来日した同氏に招致成功にいたるまでの裏話やビジネスにも応用できるプレゼンテーションの極意を聞いた。(聞き手は村野孝直)

■日本人は形式主義的

ニック・バーリー氏

ニック・バーリー氏

――日本人はよく「表現下手、プレゼンが下手」といわれる。なぜ下手なのか、あなたの分析ではどうか。

「たぶん2、3のことが理由だと思う。特に国際的な場でいえることは語学力の問題だと考えている。日本の人たちは英語が話せないというが、実際は多くの人々が英語を話すことができる。だが、完璧な英語を話すことにとらわれすぎている。私自身、それは非常に無意味だと考えている。聴く側は英語を話している努力に対して好感を持つのだ。たとえばアクセントが間違っていたり、文章がきちんと出なかったりしてもその努力をたたえてくれる」

「2つ目だが、日本人は控えめで目立たないことを良しとするという文化的な背景がある。これはプレゼンではいいことだとはいえない。国際的なプレゼンでは自分の良い点、自国の良い点を自慢げに語るということが必要になってくるからだ」

「日本人のプレゼンは非常に形式主義的で堅い印象がある。とくにプロトコルにのっとってきちんとしたプレゼンをしようという意識が強い。一方、我々は協調性のある温かみあるやり方を重視する。ここでは握手や笑顔が重要になる。プレゼンをするのはつらい経験ではない。プレゼンターが楽しんでいれば聴く側も楽しめる」

――五輪招致委のコンサルタントとして日本の招致チームにプレゼン技術を伝えた。苦労した点は。

「招致チームに私が一番言っていたのは笑顔にするようにということ。だが、これが一番難しかったと思う。というのも、プレゼンターの皆さんはスポーツマンやビジネスマンなどプロではない。それに加えて慣れない英語で話さなければならない。非常にストレスの強い舞台でプレゼンしなければならず、どうしても深刻な顔になってしまう」

「笑顔が大事なのには2つ理由がある。1つ目はリラックスするということ、もうひとつは笑顔でやることで聴く側に自信を伝えることができるからだ。笑顔は言葉の国境を越えて全世界に通じるジェスチャーだと考えている」

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