減り続ける敷金・礼金 変わる不動産の取引慣行

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2011/9/1 7:01
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各種負担金の見直しが進む(東京都千代田区のオフィスビル街)

各種負担金の見直しが進む(東京都千代田区のオフィスビル街)

マンション・アパートやオフィスビルなど、賃貸不動産の取引慣行に変化が出始めた。敷金・敷引金や礼金といった、賃料に付随して借り手が支払う各種負担金の支払いが縮小している。少子化や人口減少に伴う物件の供給過剰や消費者の権利意識拡大など、社会構造自体の変化も相まって、市場での貸し手優位の構図は大きく崩れてきた。

■礼金なし3割、敷金1カ月は5割

不動産情報サービスのアットホーム(東京・大田)によると、東京23区の中古マンションの場合、オーナーが入居者から礼金を徴収しない物件の比率は2010年は28%。07年に比べ17.8ポイント上がった。この間に2カ月分が主流だった敷金は1カ月分へと移行。07年に29.2%だった1カ月の比率は、10年は51.2%まで上がったが、2カ月は逆に63.2%が40%に低下。敷金なしも3.1%から5.1%に増えている。

「支払いの根拠が不透明だ」。居住用不動産の分野では、借り手が契約更改時に支払う更新料や敷引金など、不動産取引に付随する負担金への批判が高まっている。負担金を巡る訴訟も多い。更新料の支払い義務付けが消費者の利益に反するかどうかが争われた裁判で、7月の最高裁判決は更新料を有効としたが、合理的な説明のつかない支払いに対する借り手の抵抗は強まっている。

■オフィスビルの預託金は最低水準

オフィスビルでも、各種負担金の縮小傾向は表れている。

米系不動産サービス会社、シービー・リチャードエリス(CBRE、東京・港)によると、東京23区のオフィスビルの預託金平均額は、6月は賃料の8.6カ月分。直近のピークだった08年9月の9.4カ月から0.8カ月減り、1996年の調査開始以来の最低水準となった。大阪の預託金平均額も6月は10.1カ月分と08年3月から0.8カ月分下がり、過去最低となった。預託金はテナントがオーナーに預ける一時金的なもので、敷金が大半を占める。

CBREによると、バブル期には賃料の24カ月分に相当する敷金が支払われる事例もあった。2000年代に入ると敷金の縮小が進んで12カ月が増加。この数年は10カ月や6カ月が増えてきた。世界的にみても預託金が存在する都市は多いが、2~3カ月が主流で、日本は突出して長い。

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