印刷用紙値上げを言い出せない製紙会社の憂鬱
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製紙会社が目指してきた秋の印刷用紙などの値上げ表明が遅れ気味だ。市況を修正するための春の値上げがほぼ満額で浸透。この余勢を駆って秋の値上げでは円安で膨らんだ原燃料コストの転嫁を目指すとしていたが、ここに来てトーンダウン。製紙会社が慎重にならざるを得ないのは、3つの理由がある。
震災で輸入紙の存在感増す
第1の理由は「輸入品が再び増えない程度に値上げ幅を調整しないといけない」(製紙会社)。昨年まで...

モノやサービスの値段にまつわる「なぜ?」を様々な角度から掘り下げる連載。商品の種目ごとに細かく担当を受け持つ日経記者が、その担当の商品・サービスの値段の変化がなぜ起きたのか、日本だけでなく世界のトレンドまで鋭く切り込む。