バイトの時給、3月0.6%上昇 首都圏1000円に接近

2014/4/19付
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アルバイト・パートの時給上昇が続いている。求人情報大手のリクルートジョブズが18日発表した三大都市圏(首都圏・東海・関西)の3月の募集時平均時給は前年同月に比べ0.6%高い。人手不足に悩む外食各社が募集をかけた結果、飲食業の求人件数も49.9%増えた。

松屋の店頭に貼られたアルバイト募集の広告ポスター。都心部ではアルバイトの時給上昇が急ピッチで進む(東京都千代田区)

松屋の店頭に貼られたアルバイト募集の広告ポスター。都心部ではアルバイトの時給上昇が急ピッチで進む(東京都千代田区)

三大都市圏の平均時給は948円。9カ月連続で前年同月を上回った。首都圏の平均時給は985円と、1000円近い水準が定着した。求人全体の3割強を占める飲食業関連の時給が1.2%上昇したことが大きい。

3月は就職活動や卒業をきっかけに辞める大学生も多い。アルバイトの入れ替え時期で採用数が増えた。三大都市圏の求人件数は52.2%増。職種別でもホールスタッフと調理師が合計で9万6000件と、他の職種を引き離している。

景気回復を受け外食店の来客数が増加、従業員の繁忙感が強まった。一部地域では大型商業施設の出店が増え、アルバイトの取り合いになっている。居酒屋など飲食店のパート・アルバイトで働く人は大学生や店舗周辺に住む人が中心だ。だが、ビジネス街など都心部はそもそも住人が少なく、「アルバイト予備軍」が少ない。

大学生も拘束時間の長い飲食店での接客の仕事を敬遠しがちだ。週末や長期休暇など短期間に集中して稼ぐことのできるイベントスタッフや物流施設の仕事を選ぶ傾向が強まっている。

外食産業の人手不足は深刻だ。十分な人員を確保できないため、ワタミは運営する居酒屋の全体の1割に当たる60店舗を2014年度内に閉鎖するほか、ゼンショーホールディングスは14年に入って牛丼店「すき家」の一部店舗の一時休業を強いられた。

外食各社はかつて在籍したパート・アルバイトに復帰を要請したり、職場配属前に慣らし研修を実施して退職を防いだりしている。それでも同業他社や他産業との獲得競争が激しくなっており、必要人数をそろえるには時給を引き上げる必要が出ている。牛丼大手の松屋フーズの緑川源治社長は「時給を(周辺の)相場よりも低くならないようにする」と話す。

ラーメン店「日高屋」を運営するハイデイ日高は特に首都圏の店舗で苦戦しているという。「時給を1000円にしても応募がこない」(同社)店舗もあるという。14年1月からパート・アルバイトにもボーナスを支給するなど、時給以外の待遇改善も進めて人材を確保する。

牛丼店「吉野家」などを運営する吉野家ホールディングスの河村泰貴社長も「店舗運営に支障が出るほどではないが、この3~4月のアルバイトの採用状況は例年になく厳しい」と険しい表情を見せる。牛丼事業子会社は今春、人材確保に向けた対策を検討し始めた。

新規採用を増やすため採用直後の時給を一時的に高めに設定する店も多い。「研修期間の時給を低くする制度を見直す店も出てきた」(求人情報サイト運営のディップ)

新規出店の増えているコンビニエンスストアも採用が厳しい。都心部のビジネス街ではコンビニスタッフの時給を昼間でも1000円台とするところも出てきた。

人手不足は幅広い業種に広がっている。「塾などの教育サービス産業で、夏場や年末年始の繁忙期に備え、採用を前倒しする動きが既に出ている」(ディップ)

時給引き上げ以外でアルバイトを引き付けようという動きも出てきた。居酒屋「塚田農場」などを運営するエー・ピーカンパニーはアルバイトの就職支援のためセミナーを開いたり、面接指導をしたりしている。就職支援をアピールし、学生を集めている。

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