鮮魚の卸値軟調 築地市場、計画停電で買い控え

2011/3/14付
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東日本巨大地震の発生から最初の週末をはさんだ14日、東京都の築地市場(東京・中央)では鮮魚の取引価格がおおむね軟調となった。計画停電の影響で小売店が買い控え、需要が減少した。産地から東北地方などへ送るはずの商品が物流網の寸断により、首都圏に滞留したのも背景にある。ただ、宮古(岩手県)や大船渡(同)など全国有数の漁港が集まる三陸沿岸が甚大な被害を受けたことで、今後はイカやサンマなど大衆魚の供給減は必至。値上がりは避けられないとの声も多い。

同日早朝の築地市場。セリ場で犠牲者に黙とうした後、取引が始まった。この日の魚全体の入荷量は1745トン。先週月曜日(7日)より8%少ないが、大衆魚のアジは、現在の主力である九州産の中型(中値)が1キロ315円と57%下がった。

大都魚類の鉛山茂久鮮魚部長は「計画停電で冷蔵庫や冷凍庫が止まってしまうとみたスーパーが、鮮魚の仕入れを抑えた」と指摘する。同時に、九州産のアジやサバが東北に搬入できず築地に供給されたことも一因。

大田市場(東京・大田)の14日の野菜や果物の入荷量は3364トン。7日比3%多い。物流の混乱から先週土曜日(12日)の取引に間に合わなかった商品が14日に回され、入荷量を押し上げたもようだ。

鹿児島産ジャガイモは10キロ3150円(高値)で前週と同値。タマネギなども含めた根菜類は横ばい。東日本から関東の港へ輸送できず入荷が減った一方、計画停電を受けて「外食産業からの発注金額は地震発生前の半分ほどになった」(仲卸)との声がある。レタスなど葉物野菜は入荷量が少なく値上がりが目立った。

今後の市場動向には警戒の声が上がっている。全国漁業協同組合連合会の吉田博身専務は14日の記者会見で、三陸沖の生産量が多いワカメやカキについて「需給バランスが崩れる可能性がある」と懸念を示した。

物流網の復旧や計画停電の解除の見通しが不透明ななか、流通業者は商品確保のルート作りを急いでいる。

青果物でも、仲卸の大治(東京・大田)は通常なら茨城産ミズナを仕入れるこの時期、西日本から調達した。

大阪市中央卸売市場本場(福島区)では14日、鮮魚で東北地方など一部地域からの入荷量が減ったものの、全体では震災前とほぼ同じだった。三陸産のワカメやカキは、入荷の見通しが立っていないが、西日本からの入荷が増えている。

野菜も震災前に関東以北の産地から出荷された分が14日に入荷した。「全体の入荷量に大きな変化はない」(青果卸)という。

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