2019年6月17日(月)

破格の480円、AKBが変えたファンクラブの常識

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2012/11/9 7:00
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ファンクラブは年会費480円、携帯サイトなら月額315円、と個々の料金は衝動的に投資しそうな金額だが、この2つだけで年間4260円になる。さらに月額2980円でライブをネット上で視聴できるオンデマンド会員になった場合、年間3万5760円を払うことになる。

ときに「CDを聴きたいのか、投票権をいくつも欲しいだけなのか」が話題になるが、複数のコンテンツを大量に販売できるのはAKBのビジネスモデルならではだ。

■お得感でファン誘うスポーツ

一方で、より金銭的なお得感を求められるのが、スポーツのファンクラブだろう。たとえばサッカーでは、横浜F・マリノスの公式ファンクラブ「トリコロールメンバーズ」の年会費が2000円。日産スタジアムでのホームゲームには特別割引が適用され、SS席チケットは一般前売りより500円安い4500円となる。足しげく通うサポーターなら、4回で元が取れる計算になる。ガンバ大阪のファンクラブも「ライト会員」なら年会費1500円で、先行販売チケットは前売り価格より10%安い。

野球の場合は、会員限定の割引や招待チケットがもらえる球団が複数ある。横浜DeNAベイスターズはレギュラー会員の年会費が3000円で、内野自由席2枚がついてくる。横浜スタジアムでの公式戦は内野指定席が500円割引になるので、試合を何度観戦するかで節約できる金額は異なる。ヤクルトはファンクラブ制度を改定しており、会員への割引率は11月中旬に発表するという。

■熱狂的なファンの育成が先決

ただ、スポーツのファンクラブが入場料の割引率で集客するのは、アイドルのように「会員であることへの満足感」だけでは物足りないことの裏返しでもある。もし熱狂的なファン層を拡大できれば、割引を強調しなくても自然と来場者数は増えるだろう。

Jリーグで最大の入場収入を誇る浦和レッズはクラブとしてのファンクラブを持たず、個々のサポーターの自治組織に公認を与えているだけだ。応援のための旗を支給するが、特典は一切ない。アイドルもスポーツも、「こいつを勝たせたい」とファンが本気で支援する土壌づくりが経営に欠かせないようだ。

(商品部 小太刀久雄)

「気になる値段」は原則毎週金曜日に掲載します。

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