小川監督、委ねられたヤクルト刷新への地ならし
スポーツライター 浜田昭八

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2013/10/20 7:00
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暗いムードの中で、救いはバレンティンと新人小川の活躍だった。日本シリーズ終了後に記者投票による表彰選手が発表される。60ホーマーのプロ野球新記録を達成したバレンティンはMVPに選ばれそうだし、16勝(4敗)して最多勝のタイトルをとった小川は新人王に当確だ。

投打に勢いある選手、生かし切れず

バレンティンは打率、打点でも僅差の2位。一時は三冠王になりそうな勢いだった。小川は左足を高く上げる米大リーグの名投手ノーラン・ライアンのフォームをまねて人気を集めた。3完封と勝率8割は1位、防御率も2.93で5位と、実力も十分に見せた。

投打にこれだけ勢いのある選手を擁しながら、それがチーム成績に結びつかなかった。監督の責任は大きいと言わざるを得ない。勝っても「内容がよくない」とナインを引き締めていた小川監督が、作戦や用兵で自らのミスを認めることが多くなった。

故障者以外にも、小川構想を狂わせた不振組がいた。返り咲き入団の岩村明憲は、すっかりパワーが落ちていた。主将に選ばれた田中浩康は精彩を欠き、二塁を守り通せなかった。長くチームを引っ張ってきた宮本慎也は、得意の守備を見せる機会が減った。それで張り合いを失ったからか、引退に踏み切った。

よどんだ1軍のムード一掃できるか

クライマックスシリーズ(CS)進出の望みが断たれた時点で、小川監督は退陣を決意した。それより先に、チーム防御率リーグ5位、失策数ワースト2位の責任を問われた形で、投手コーチ荒木大輔、バッテリーコーチ中西親志、外野守備走塁コーチ飯田哲也の退任が決まった。

小川監督が続投する状況でないと見られたが、球団はチーム刷新の地ならしを委ねようとしている。近い将来、打撃コーチの池山隆寛が監督に昇格しそうな雲行きだ。昇格前に2軍監督で経験を積ませるのが、ヤクルトの方針。池山の監督修業が終わるのを、小川は見守らねばならない。

ヤクルト2軍にはイースタンリーグ首位打者の荒木貴裕、同2位の西田明央ら有望選手が多い。池山がそれらホープを1軍へ持ち上げるまで、小川はよどんだ1軍のムードを一掃する嫌われ役を務めなければならないだろう。

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