/

楽天・星野監督、連覇に欠かせぬ「新チルドレン」

スポーツライター 浜田昭八

「2013年の日本一は年内で終わり。14年は改めて挑戦者の姿勢を貫く」と、楽天・星野仙一監督はきっぱりと宣言した。ハワイへの祝勝旅行に喜ぶ選手と家族の姿に顔をほころばせたが、厳しい状況を思うと浮かれてはいられない。

24勝無敗、エース田中が抜ける穴

24勝無敗のエース田中将大と、打率2割9分2厘、28ホーマー、93打点の5番打者マギーが抜けた。大リーグ通算150ホーマー、元ヤンキースのユーキリス内野手、元レンジャーズの左腕ブラックリーを獲得した。

さらに、元ソフトバンクの救援投手ファルケンボーグをとり、オリックスとのトレードで内野手の後藤光尊も獲得した。だがこれで、大きく開いた穴を埋めることができるだろうか。

9選手を指名したドラフトでは、8人までが投手だった。高校生ナンバーワン左腕の松井裕樹(桐光学園)をはじめ「重点ポイントの左腕を中心に狙い通りの指名ができた」と星野は満足した。

だが、「オレの次の監督が喜ぶ補強だな」とも言った。即戦力というより2、3年は鍛えなければならない投手が多いからだ。24勝投手の穴をカバーするのは容易でないと覚悟している。

大きな誤算、新人則本がカバー

13年は「クライマックスシリーズ(CS)出場を逃したら切腹する」と大見えを切って臨んだ。だが、色々な誤算に苦しんだ。最大の誤算は「5投手で45勝」と願った塩見貴洋、戸村健次、釜田佳直、辛島航、菊池保則の故障だった。結果は1人が未登板、4投手で9勝を挙げただけ。

この誤算を新人則本昂大がカバーした。ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)に参加した田中に代わって開幕投手に選ばれ、1年間ローテーションを守った。15勝して新人王。「則本がいなかったらと思うとゾッとする」と星野は言い、田中とともに投手陣の功労者に挙げた。

打線ではマギー、ジョーンズの4、5番が元大リーガーらしい働きを見せた。マギーの勝負強さが光ったが、ジョーンズも4番に定着して見事に存在感を示した。

打率は2割4分3厘だったが、120四死球はリーグ最多。94打点はチーム最多だった。長打力を誇示したがる外国人選手は多いが、ジョーンズは個人プレーに走ろうとしなかった。星野はその姿勢を高く評価した。

負けない"マーくん"がチームの一体感を盛り上げたが、脇役たちの健闘も見逃せない。中でも元捕手岡島豪郎を右翼へコンバート、夏場から1番に据えたのは大ヒットだった。3番に定着した銀次(赤見内)とともに"星野チルドレン"の優等生になった。

若手の活躍、中堅選手を刺激

若手の活躍は中堅選手を刺激する。捕手嶋基宏と二塁藤田一也はともに自己最多の出場で、攻守に渋い働きを見せた。藤田は9年目で初の規定打席に達し、名人芸のような二塁守備で投手陣を助けた。

チームが飛躍するきっかけは、セ・パ交流戦だった。15勝9敗で僅差の2位になり、チーム全体に自信がついた。パの順位も2位になり、その後はじわじわと白星を積み上げて逃げ切った。大型連勝は少ないが、連敗も少ない。不敗のエース田中の存在がやはり大きかった。

CSでは3位から勝ち上がってきたロッテを一蹴し、待望の巨人との日本シリーズ。ここでは3勝2敗と王手をかけた東京ドームでの第5戦のあとの、星野の勝利監督インタビューが話題になった。

この試合で藤田がシリーズ2つ目の死球(チーム全体では3つ目)を食らったのを指して「3つ目だよ」と、あからさまに巨人側の威嚇投球を非難した。監督がお立ち台で相手をなじる、それも敵地でというのは非常に珍しい。「なめられたらおしまい」という星野の勝負哲学がほとばしったシーンだった。

指揮官がハッパ、「頭を使え」

パ・リーグは12年に優勝した日本ハムが13年は最下位に転落するなど、戦国時代が続いている。連覇するために、星野は「頭を使え」と野村克也ばりに選手を督励している。夢中でつかんだ日本一の座。続けて頂点に立つには、ワンランク上を目指した考える野球もしなければならないのだ。

その一方で、投手には「逃げるな」、打者には「当てるな。振れ」と、闘将らしいハッパもかける。キャンプでは"新チルドレン"を発掘し、チーム内の競争を激しくあおることだろう。

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン