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奮戦する石川・松山世代、東京五輪へ膨らむ夢

編集委員 吉良幸雄

2020年夏季五輪の東京開催が決定した8日、フジサンケイクラシック(山梨・富士桜CC)で松山英樹(21、東北福祉大4年)がプレーオフの末に今季ツアー3勝目(通算4勝目)をマークした。海外ツアー転戦から帰国初戦でいきなり優勝。これまで、五輪にそれほど関心を示さなかった怪物ルーキーが、表彰式で「金メダルを目指して頑張りたい」と7年後の東京五輪での活躍を口にした。五輪の舞台は、優勝してマスターズへの扉を開いた10年アジア・アマチュア選手権の会場、埼玉・霞ケ関CCである。

ピンチにもひるまず今季3勝目

2位に4打差をつけて首位スタートした最終日は思わぬ苦戦を強いられた。前半でVanaH杯KBCオーガスタに続く2週連続優勝のかかった同組のS・J・パク(韓国)の猛追を受け、首位に並ばれた。後半のインでは16番(パー3)で大ダフリ、「池ポチャ」でダブルボギーをたたくなど2打落とし、通算9アンダーで大学の先輩、谷原秀人とパクと3人によるプレーオフにもつれ込んだ。

18番(パー4)を使ったプレーオフ2ホール目で、先に第2打を打ったパクがピンそば1.5メートルにつけた。大歓声がわき、厳しい状況に追い込まれても松山はひるまない。バンカーから195ヤードの第2打を6番アイアンで1メートル弱につけるスーパーショット。パクに重圧をかけ、バーディーパットを外したパクらを退けた。まだ高知・明徳義塾高3年だった09年大会(優勝は石川遼)、マンデー予選で「75」をたたき本戦出場できなかった男が、4年間で長足の進歩を遂げ、プロ初のプレーオフを見事に制した。

獲得賞金、最速で1億5000万円突破

全米オープン(10位)、全英オープン(6位)、全米プロ(19位)の海外メジャー3戦と国内9戦の計12試合で1億5194万円を獲得。1996年の尾崎将司を超える最速で1億5000万円突破し、賞金王へまっしぐら。今週はツアーが空くため大学の後輩の応援へトピーカップ日米大学対抗(福島)に顔を出し、次週のANAオープン(19日開幕、札幌GC輪厚)で2試合連続優勝を狙う。

松山の大活躍が突出しているが、後半戦では松山より年下の選手の奮戦も目に付く。左手親指痛で前半戦は苦しんだツアーデビュー2年目の川村昌弘(20)は、ツアーの中休みが明けた関西オープンで13位、KBCオーガスタ14位、フジサンケイC9位とここ3試合で安定したプレーを続けている。

20歳川村、待望のツアー初Vに挑む

故障箇所をかばったり、力を加減したりせずに打てるようになったそうで「ショットは昨年のいいときの雰囲気。手応えを感じる」と表情も明るい。待望のツアー初Vへ「予選を上位で通過して、週末に(優勝の)チャンスがある位置でプレーするのが大事」と話す。

KBCオーガスタでは初日にツアー出場3戦目の18歳、稲森佑貴が首位タイで飛び出した。6歳からゴルフを始め、石川の活躍に影響されて鹿児島城西高2年の11年3月にプロ転向。同年9月の日本プロゴルフ協会(PGA)の資格認定プロテストに最年少の16歳で合格を果たし、今春高校を卒業したばかりだ。「小学生の頃からプロになると決めていた。アマは名誉だけ。プロになってどんどん上を目指した方が自分のためになる」

18歳稲森「狙うはグランドスラム」

最終日は4位タイからのスタートに「この位置にいるからには優勝しかない。一気にシード権がほしい」。こう意気込んで臨んだが、さすがに予選ラウンドのように「プライベート感覚」では回れなかったらしく気合が空回り、77をたたいて34位に沈んだ。169センチと小柄だが「(石川、松山の)2人とも米ツアーでやっている。できないと考えたらできない。僕も同じ人間だし不可能じゃない。海外メジャーに出て、グランドスラムを達成したい」と夢は大きい。

フジサンケイCと同週に行われた下部のチャレンジツアー、PGA・JGTOチャレンジカップin房総(4~6日、千葉・房総CC房総)では18歳の伊藤誠道(いとう・まさみち、東京・杉並学院高3年)が同ツアー最年少優勝を飾った。2日間首位の稲森に3打差の6位発進し前半5バーディーと猛チャージ。後半も12、18番でバーディーを奪い、最終日7アンダーの65をマーク、2位に2打差をつけ逆転Vを果たした。

2年前のANAオープンで6位に入るなどアマチュア時代からツアーでも活躍。昨年プロ転向したがツアー最終予選会で85位と振るわず、今季はチャレンジツアーが主戦場だ。ただ、この試合まで8戦して30位が最高、ツアーでは4戦して2度予選落ちともがいていた。

プロ初勝利、伊藤「ゴルフ人生の幕開け」

それだけに今回のプロ初勝利がうれしい。「プロとしてゴルフ人生の幕開けとなったと感じている」とコメントした。

来月のツアー、コカ・コーラ東海クラシック(愛知)の出場権も自力でつかんだ。優勝賞金234万円を獲得、チャレンジ賞金ランク6位に浮上した。同ランクで上位に入って「チャレンジシード」で来季のツアー出場を目指す伊藤は、今週のドラゴンカップ(12~13日、千葉・夷隅GC)で2週連続Vを目指す。

東京五輪では「石川・松山世代」や、もっと若い選手にも日本代表として戦うチャンスがあるはず。若者たちの挑戦に注目して見るのも、ツアー観戦の興趣を一段と増すだろう。

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