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女子力で世界挑む ソチ五輪 選手数、男子上回る

【ソチ=田中克二】第22回冬季五輪ソチ大会は7日夜(日本時間8日未明)、ロシア南部ソチのフィシュト五輪スタジアムで開会式が行われ、雪と氷のスポーツの祭典が開幕した。プーチン大統領が開会を宣言し、安倍晋三首相も出席した。冬季史上最多の87カ国・地域と個人参加のインドを含む約2900人の選手が参加、23日の閉幕まで7競技98種目で熱戦が繰り広げられる。

カーリングで3度目の出場となる旗手の小笠原歩選手を先頭に入場行進した日本選手団。113人は冬季の海外派遣で過去最多となり、男子48人、女子65人と冬季では初めて女子選手の数が上回った。フィギュアスケートの浅田真央選手、スキージャンプの高梨沙羅選手を擁する今大会は女子が日本の顔となる。

「ツートップ」は世界の顔でもある。例えば、ジャンプ女子は2010年バンクーバー五輪で採用が見送られ、欧米の選手たちが裁判に訴えたこともあった。競技レベルに対して懐疑的視線を向けられてきた歴史を高梨選手も知っている。「女子もいい選手がどんどん出てきて、面白くなってきた」。果たして女子がどれだけ飛べるのか。金メダル候補筆頭の17歳は、ジャンプ女子が五輪種目にふさわしいことを証明する責務も背負う。

浅田選手もフロントランナーとしての心意気を持つ。トリプルアクセル(3回転半ジャンプ)を跳ぶ女子選手はいま、世界で浅田選手だけ。失敗のリスクがある大技は金メダルへの近道ではないかもしれないが、「自分にしかできない技」に挑み続ける。この冒険心がファンやスポンサーを刺激し、フィギュアスケートを発展させる原動力ともなっている。

日本の「女子力」が発揮される環境も整いつつある。今回の選手団には小笠原選手、船山弓枝選手(カーリング)、三星マナミ選手(フリースタイルスキー・ハーフパイプ)とママさん選手も3人いる。文部科学省は今年度、女性アスリート支援に4億6700万円の予算を確保。3人は保育費補助などを受けながら海外遠征もこなしてきた。

大方の予想を覆して五輪切符を獲得したアイスホッケー女子代表には、競技との両立を認めて選手の雇用に名乗りを挙げる企業が次々現れた。結果を残せば環境が良くなり、活躍の機会もさらに広がる。女性のスポーツに詳しい順天堂大学の小笠原悦子教授は「女子選手の前向きでやる気にあふれた雰囲気は多くの人が応援したくなる力を持っている。国などの支援にも好影響が出るのではないか」と話す。

自身も五輪メダリストである日本選手団の橋本聖子団長は、「女性の強さと優しさと明るさがチームジャパンの勝利に向けてのキーポイント」と話している。女子の冬季五輪メダリストは過去10人。1大会でのメダル数は2が最多で、ソチで歴史を塗り替える期待が高まる。

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