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監督たちの戦い 中畑DeNA、出足つまずく「守り固めた野球」

スポーツライター 浜田昭八

2012年4勝17敗3分け、13年5勝18敗1分け。中畑清がDeNAの監督になってからの巨人戦の戦績である。巨人OBだが、あえて「巨人に勝たぬと飛躍できない」と言い続けてきた。それなのに、一方的にたたかれるのは大変な屈辱だ。

投手陣強化、最大の課題のはずが…

キャンプでは「守りを固めて、点を与えない野球をする」と宣言した。典型的な"打高投低"のDeNAにとって、最大の課題は投手陣強化だった。ドラフトで6選手を獲得したが、うち4人は即戦力の社会人、大学の投手。育成枠でも2投手を入団させた。

合わせて、実績のある3投手も取った。阪神からFA移籍の久保康友、大リーグから復帰した元巨人の尚成(高橋)、元大リーガーのモスコーソ。巨人アレルギーのない3人を開幕のヤクルト戦で使わず、2カード目の巨人にぶつけた。

だが、例年通りに豪華な補強をした巨人の壁は厚かった。第3戦は雨で流れたが、第1、2戦で連敗。シーズンは始まったばかりだが、巨人の強さを改めて思い知らされた。

第1戦で1年半ぶりに先発した久保は7回1失点と好投したが、延長十回に4人目の長田秀一郎がロペスに決勝ホーマーを浴びた。この試合はまだ、今後の巨人戦での健闘に望みがつながる内容だった。だが、第2戦が悲惨だった。

「ファンに対して失礼な試合」と怒る

救援陣が5点のリードを守り切れず、9-15で逆転負けした。尚成は五回まで無失点だったが、六回にアンダーソン、村田修一、ロペスに3連発を浴びて降板した。その裏に味方が3点を取って再び5点差。尚成の復帰後の初勝利の可能性は残った。

だが、八回に4人目の新人平田真吾と、5人目山口俊が合わせて8安打をめった打ちされ、10点を失う失態を演じた。いつもは陽気な中畑も、話す気力を失った。山口にはこれまでにも、何度も裏切られた。球威はあるが制球の悪さは解消されておらず、先が思いやられた。

開幕シリーズのヤクルト戦では、開幕投手に選んだ三嶋一輝に裏切られた。初回に7点、二回に2点を失い、あっけなく試合を壊した。三嶋は新人だった昨季、三浦大輔とともにチームで2人だけ規定投球回に達し、6勝を挙げた。度胸のよさも買われていたが、この失態。中畑は「ファンに対して失礼な試合」と怒った。

シーズン前には三浦を先発ローテーションからはずす、はずさないという騒動があった。40歳の三浦にいつまでも頼ってはいられない。若手よ、ハッタリでもいい。「絶好調」とアピールして出てこいと、中畑は言いたかったのだ。

若手伸び悩み、育成システムに問題は?

だが、今年もまた投手陣は三浦や39歳の尚成、36歳のソーサ、藤井秀悟らの力をあてにしなければならない。22歳のホープ、身長196センチの速球投手の国吉佑樹らの成長が止まっている。育成システムに、なにか問題があるのだろうか。

リーグ随一の打線は、オリックスから勝負強いバルディリスが加わって威力を増した。昨季の首位打者、打点王のブランコの前後を、力をつけた梶谷隆幸、筒香嘉智が固める。石川雄洋、山崎憲晴の1、2番も先兵として機能しそう。この打線で若い投手を援護して、その成長を待つしかないだろう。

守りに不安があった梶谷と筒香を内野から外野へコンバートした。三遊間に好守のバルディリスと山崎が入って、内野が引き締まった。あとは、阪神へ移籍した主戦捕手鶴岡一成の後釜を育てなければならない。これが決まらないと、「守りを固めた野球」の態勢はでき上がらない。

今のところは9年目の黒羽根利規が起用されているが、フルに稼働できるだろうか。2002年に谷繁元信が中日へFA移籍して以来、捕手がこのチームの泣きどころになっていた。攻守にバランスがいい新人の嶺井博希を早く育てるように方向転換できないものか。

指揮官も選手も開き直るしかない

昨季限りで2年契約が切れるはずの中畑は、自らも「クライマックスシリーズ(CS)に出られないとオレはクビ」と公言していた。それが、さまざまな事情があって1年延長になった。今年こそ待ったなし。スタートでのつまずきを修正するには、監督も選手も開き直るしかない。

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