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直球伸び、風も味方 西武・岸ノーヒットノーラン

ワインドアップから振りかぶって投じられた直球は、打者の手元でグイと伸びるよう。許した走者は初回に四球で出した井口1人だけ。西武の岸が、ロッテ打線を無安打無得点にねじ伏せた。

「真っすぐが最初から最後までよかった」。敵地であるはずのQVCマリンフィールドの風を味方につけた。この日吹いていた風は中堅から本塁方向だが、バックネットにぶつかって跳ね返り投手にとっては「逆風」となる。球速は140キロ前後ながらもスピンの利いた直球は、岸自身も浮き上がるように感じたほどだった。

コントロールも見事だった。「全員に対して気を使って投げた」と失投はほとんどなし。厳しいコースに投げこむ直球の伸びに対応できなかったり、チェンジアップにタイミングを狂わされたりして、ロッテの打者が打ち上げた飛球でのアウトは12個を数えた。

さらに、ロッテの成瀬との投げ合いが、良い方向に作用した。二回に渡辺の適時打で先制したがリードは2点。走者を1人出して本塁打を浴びたら同点という展開に「何があるかわからないと思って、緊張感を持続できた」と振り返る。

ベンチがざわついてきて、ノーヒットノーランを意識したのは七回あたりからだという。「そんなにないことなので、思い切っていこう」。試合序盤は風の影響で曲がり方を把握できなかった得意球のカーブも修正し、最後まで球威が落ちなかった直球とのコンビネーションがさえた。

最後の打者となった荻野貴が一邪飛を打ち上げた瞬間、グラブをポンとたたいた岸。1四球のみの"準完全試合"を達成すると、「うまく(いいところを)引き出すリードをしてくれた」と捕手の炭谷と笑顔で抱き合った。

「まさか、こういった記録を達成できるとは思っていなかったので、すごくうれしい」と喜んだものの、「自分の仕事は一つでも多くチームを勝たせること」と淡々と語る岸。最下位でもがくチームに勢いをつけることこそ、エースの務めと言い切った。(伊藤新時)

【岸の投球内容】

▽投球数117(空振り12、ストライク23、ファウル27、ボール36、打球19)

▽三振8

▽内野ゴロ7

▽内野飛球6

▽外野飛球6

▽四球1

 岸 孝之(きし・たかゆき) 宮城・名取北高から東北学院大を経て、2007年に希望枠で西武に入団。1年目から11勝を挙げ、先発として活躍。08年には12勝をマークし、日本シリーズでも最高殊勲選手(MVP)を獲得するなどチームの日本一に貢献した。6度の2桁勝利を記録している。通算79勝50敗1セーブ。180センチ、70キロ、右投げ右打ち。29歳。宮城県出身。〔共同〕

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