2018年6月22日(金)

震災復興予算22%使われず がれき処理など遅れ

2013/10/31付
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復旧工事が続く被災地(10月、宮城県気仙沼市)

復旧工事が続く被災地(10月、宮城県気仙沼市)

 政府が2011、12年度に計上した東日本大震災の復興予算19兆8949億円のうち、22.8%(約4兆5305億円)が使われていなかったことが31日、会計検査院のまとめで分かった。うち5702億円は2年間使わず繰り越された。検査院は「津波被害が甚大だった沿岸部の事業や除染が進んでいない」と指摘。政府は、改めて復興の加速を求められた形だ。

 復興関連基金として90事業に支出した約2兆8674億円のうち、約7割が取り崩されずに残っていたことも判明。検査院は結果を参院に報告、「事業の計画や規模が適切かを必要に応じて見直すべきだ」としている。

 検査院は、11年度の予備費と第1~3次補正予算、12年度復興特別会計を調べた。11年度分に限った昨年調査で予算の未執行率は45%だったのと比べると改善したが、なお4兆円余りが使われていなかった。うち2兆2030億円は翌年度以降に繰り越された。計画変更などで不用となり、国庫に返納されたのは2兆3274億円だった。

 主に沿岸部を対象とした事業のうち、12年度実施の環境省の「がれき処理補助金」は15%しか使われず、2502億円を繰り越した。11年度の農林水産省「漁港復旧事業」も856億円を繰り越した。いずれも資材や人材の不足が主な原因だ。

 復興予算のうち、東京電力福島第1原子力発電所事故対策として計上されたのは1兆5128億円。このうち約6割を占める放射性物質の除染関連事業で遅れが目立つ。

 環境省実施分の除染では、11年度からの繰越額が1256億円だったのに対し、12年度の支出は197億円だけ。福島県の担当者は「汚染土の仮置き場確保が難航し除染作業の遅れにつながっている」と説明。991億円は国庫に返納された。

 同省の「汚染廃棄物の運搬・処理委託事業」も自治体と住民との調整が難航して着手できず、12年度の繰越額146億円全額を国庫に返納。検査院は「原発事故の克服は県や市町村の力の範囲を超えている」とし、国に「自治体の要望を踏まえた長期的かつ確実な財源・人的支援」を求めた。

 復興関連基金のうち、12年度末時点で取り崩され、実際に使われたのは28.7%(8244億円)。8基金は全額が塩漬けになっており、事業と被災地のニーズとのずれが浮き彫りになった。経済産業省の「先端技術研究開発拠点の立地を推進する補助金」は100億円全額が返納された。

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