「女性は家庭に」の妻増える 減少傾向から一転
家族観に伝統回帰の兆し

2010/5/31付
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「夫は外で働き、妻は主婦業に専念すべきだ」と考える既婚女性の割合がこれまでの低下傾向から上昇に転じ、45%だったことが31日、国立社会保障・人口問題研究所の「全国家庭動向調査」で分かった。同研究所は「伝統的な家族観に回帰する兆しがみられる」と説明。一方、妻がフルタイムで働いていても夫の6人に1人は全く家事をしておらず、女性の負担が重い実態が続いている。

調査は5年ごとに実施。今回は2008年7月に全国の約1万3千世帯に調査票を配布し、有効回答が得られた69歳までの既婚女性6870人の回答を分析した。

家族に関する意識を尋ねたところ、「夫は外で働き、妻は主婦業に専念」という考え方に「全く賛成」は5.5%、「どちらかといえば賛成」が39.5%で、賛成派は計45.0%。初調査の1993年は53.6%、98年は52.3%で、03年は41.1%と急低下していたが、上昇に転じた。

同研究所は「前回の調査は小泉内閣による改革の最中だったことが影響した可能性がある」と、規制緩和などを背景に就業を前向きに考える女性の割合が膨らんでいた可能性を指摘。今回は前々回を上回っておらず、「次回の調査に注目したい」としている。

年代別で賛成派の割合の上昇が目立つのは29歳以下で、47.9%と前回調査より12.2ポイントアップ。30代は7.6ポイント高い41.7%、40代は6.6ポイント高い39.8%で、50歳未満では若いほど専業主婦志向が強まった。逆に50代は2.5ポイント低い42.3%、60代は4.0ポイント低い57.2%と低下傾向が続いた。

一方、妻の平均家事時間は30代までで約5時間、40代では4時間半程度。フルタイムで働く妻の場合、平日の家事時間は「4時間以上」が31.1%に上る半面、夫の16.0%は全く家事をしていないといい、妻の負担が大きくなっている。

夫が週1~2回以上している家事で最も多いのは「ゴミ出し」で42.1%。次いで「日常の買い物」(39.9%)、「食後の片付け」(30.7%)などで、調査対象の7項目すべてが前回調査より上昇した。夫の帰宅時間が早ければ、妻の家事時間は短くなっていた。

同研究所は「夫の家事は多少改善しているが、妻の負担は依然大きい」と説明。「妻の家事負担を減らすためには夫が定時退社したり、育児休暇を取得したりできるよう、より実効性ある政策を整備する必要がある」と話している。

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