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福岡地裁、弁護団の「新証拠」認めず 飯塚事件の再審請求棄却

福岡県飯塚市で1992年に女児2人が殺害された「飯塚事件」で、福岡地裁は31日、殺人罪などで死刑が確定し、2008年に執行された久間三千年・元死刑囚(当時70)の妻の再審請求を棄却した。平塚浩司裁判長は「弁護人が提出した新証拠はいずれも(無罪とすべき)明白性がなく、確定判決の有罪認定に合理的な疑いは生じない」とした。弁護団は即時抗告する方針。

死刑執行後に再審開始を認めた例はなく、地裁の判断が注目されていた。再審請求審は無罪とすべき「新証拠」として弁護団が提出した鑑定書の評価が焦点になった。

有罪の決め手の一つだったDNA鑑定が、無罪となった「足利事件」の再審で証拠能力を否定されたのと同じ手法で行われていたため、弁護団は専門家に依頼して当時の鑑定を検証。被害女児などに付着していた血液のDNA鑑定のネガフィルムに「元死刑囚と別人のDNA型が見つかった」とした。血液型も「元死刑囚はB型だが、犯人はAB型の可能性がある」として、「別人が真犯人」と主張していた。

平塚裁判長は決定理由で、「別人のDNA型」と指摘されたものは「エキストラバンド(鑑定の過程で生じる余分な帯)で、犯人とは全く無関係」と判断。血液型判定も「弁護側の主張は抽象的な推論にすぎない」として検察側の反論を全面的に認める形で退けた。

一方、当時のDNA鑑定の信頼性は問題視した。手法は適切で「疑問の余地はない」としながらも▽足利事件の再審で証拠能力を否定▽再鑑定を可能にする試料が残されていない――といった事実を指摘。「犯人と元死刑囚のDNA型が一致するか確定できず、単純に鑑定結果を有罪認定の根拠にはできない」と述べた。

その上で、DNA鑑定を除いた他の状況証拠で有罪判決を支えられるかを検討。元死刑囚のものと似た車を事件現場で見たという目撃証言について、弁護団は「捜査官の誘導で供述を変えた」と訴えたが、平塚裁判長は「供述を誘導したことが明らかになったとはいえない」と否定した。

一審判決が「重要な証拠」と認定した、元死刑囚の車内にあった血痕の血液型が被害女児と一致した点についても「犯人である可能性を高めている」と判断。「状況証拠を総合的に判断すれば、元死刑囚が犯人であると高度の蓋然性をもっていえる」と結論づけた。

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