2018年7月22日(日)

衛星「きずな」使い遠隔医療 模擬手術を公開
JAXA、都立広尾病院と小笠原結ぶ

2010/11/30付
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 宇宙航空研究開発機構(JAXA)の超高速インターネット衛星「きずな」を使った遠隔医療の模擬実験が30日、東京都立広尾病院(東京・渋谷)で公開された。小笠原村(東京都)の診療所で進む頭部の模擬手術の画像が広尾病院にリアルタイムで送られ、専門医が処置の方法などを助言した。医療のほか、災害で通信網が寸断された際の情報のやりとりなどに役立つとしている。

 広尾病院の一室ではモニター画面に小笠原の手術現場の全体像と、手術担当医の手元を拡大した2種類の映像が映し出された。内視鏡の画像なども見られる。双方で会話することも可能だ。

 小笠原村診療所に急性硬膜外血腫で頭部に内出血を起こした患者が運び込まれたことを想定。頭蓋骨の模型を使い、ドリルで頭部に穴を開けて血腫を除去する緊急手術をシミュレーションした。広尾病院からは、ドリルを回す際に「体重をかけすぎないで」などとアドバイス。約20分で模擬手術を終えた。

 広尾病院の大貫明脳神経外科部長は「映像は十分な解像度があり状態がよく分かった」と性能を評価。「(頭部の内出血は)いかに早く処置するかで治療後の状態が変わる」と述べ、遠隔医療の重要性を指摘した。小笠原村診療所には2人しか医師がおらず、救急や専門外の高度医療対策が課題になっているという。

 模擬実験では通信速度は毎秒10メガ(メガは100万)ビットと、テレビ会議システム並み。画像が途切れることはなく、手の動きも滑らかで実用性を確認できたとしている。

 きずなによる通信は技術的には大幅な高速化が可能だ。情報通信研究機構は同日、きずなを使った実験で衛星通信では世界最速となる毎秒1.2ギガ(ギガは10億)ビットを実現したと発表した。フルハイビジョンの4倍の画素数で、高精細な3次元映像の送信ができた。

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