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耐性菌、世界で拡大傾向 WHO「抗生物質の処方を最低限に」

世界保健機関(WHO)は30日、抗生物質が効かない耐性菌が世界で拡大傾向にあるとの報告書を発表した。アフリカや米州の一部地域では、黄色ブドウ球菌による感染のうち、8~9割が抗生物質メチシリンへの耐性を持っていたという。

WHOは耐性菌の拡大は既に深刻な状態にあると判断。医療関係者らに抗生物質の処方を必要最低限に抑えることなどを呼びかけている。

報告書は114カ国から集めたデータを基に作成。カルバペネムが効かない肺炎かん菌は既に世界の全域に広がり、一部の国では患者の半数以上で効果が出なかったという。大腸菌による尿路感染の治療に使うフルオロキノロンも、効かない患者が半数を超える国がある。

日本やフランス、オーストラリア、カナダ、南アフリカなどでは、りん病の治療でセファロスポリンを投与しても効果がなかった事例が確認された。

WHOは体内にメチシリン耐性黄色ブドウ球菌を持つ人は、耐性のない黄色ブドウ球菌を持つ人に比べ、死亡する確率が64%高まると推定。耐性菌の感染で治療や入院が長引き、医療費が膨らむ傾向もあるとしている。

WHOのフクダ事務局長補は「関係者らが早急に連携して対応しなければ、世界は『ポスト抗生物質時代』に突入する」と指摘。具体的な対策として、各国政府に調査・研究の強化などを求めた。一般の患者に対しては、ほかの人と抗生物質を分け合ったり、過去に残した薬剤を服用したりするのは避けるべきだ、としている。(ジュネーブ=原克彦)

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