2019年5月19日(日)

「でき得ることした」 50人死亡の福島・双葉病院、遺族に説明

2012/10/1付
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東京電力福島第1原発事故で、救助の遅れから昨年3月中に患者ら50人が死亡した双葉病院(福島県大熊町)は30日、同県いわき市で、避難状況について病院側の調査結果を遺族らに説明した。「患者が亡くなったのは断腸の思いだが、でき得ることはしており、病院として謝罪の必要はない」との見解を明らかにした。

病院側が遺族に直接、避難状況を説明するのは初めて。説明会は非公開で、遺族ら約120人が出席した。

事故当時、双葉病院と系列の介護老人保健施設ドーヴィル双葉にいたのは、寝たきりを含む高齢患者や入所者計約440人。自衛隊のバスなどで昨年3月12~16日に全員避難したが、過酷な移動で体力を奪われるなどし、50人が死亡した。

病院は調査報告書で「停電で適切なケアができなかった上、長距離、長時間搬送で患者に大きなダメージを与えた」「原発事故と死亡には因果関係がある」と指摘。

しかし、病院は「県や自衛隊の明瞭な過失は認められない」とした上で、無過失の賠償責任を電力会社が負う原子力損害賠償法に基づき、遺族が東電に賠償請求するのを支援すると述べた。

病院によると、説明会では多くの遺族から「なぜ謝罪に来ないのか」といった質問が集中。鈴木市郎院長(78)はきちんと調査、説明することが病院の責任と考えていたとして、説明会後の記者会見で「(遺族から)院長に謝ってもらえればそれでいいと言われ、ショックだった」と話した。〔共同〕

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