小笠原諸島・西之島(東京都小笠原村)の火山活動が活発だ。溶岩が流れ出し、新たにできた陸地の面積は徐々に拡大。1973年から74年の噴火でできた島は、元の島とつながって今の形になった。今回も「島」になるのだろうか。
国連海洋法条約では(1)自然にできた陸地(2)水に囲まれている(3)高潮時でも水面上にある――が島の定義。今回の陸地は長さ200メートル、幅170メートルで当初の1.3~1.5倍程度に広がり、高さも二十数メートルとみられる。定着すれば十分に島の要件を満たす。
内閣官房の総合海洋政策本部事務局によると、国際慣習では領海内であれば管轄権があるとみなされ、海図や地図に書き込むことで対外的に存在を示すことができる。
気象庁によると、73年の噴火では9月に新たな陸地を確認。その後、2つの陸地ができてつながり、12月に「西之島新島」と名付けられたが、74年6月に元の島とつながったため新島の名称は実質的に消えた。
海上保安庁によると、戦後では伊豆諸島・青ケ島の南南東約65キロの明神礁で46年と52~53年に、小笠原諸島・硫黄島の南55キロの福徳岡ノ場で86年に海底の火山活動で陸地が出現したが、いずれも数カ月から1年程度で消滅している。
同庁は「形も定まっていないため、活動を見守って海図に書くかどうか決めたい」と慎重だが、担当者は「溶岩流の出現で島として残る可能性が高まっている」と期待する。島になればわずかだが領海が広がる。
現場を見た東京工業大火山流体研究センターの野上健治教授は「前回の噴火から今の島の形になるまで何十年もかかっている。島になるかどうかは結果論で、監視に加え科学的な観測を続けることが大切だ」と話した。〔共同〕
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