アイソン彗星、太陽接近時に崩壊か NASA発表

2013/11/29付
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尾を長くひいた大彗星(すいせい)になると期待されたアイソン彗星が太陽に最接近した際、ばらばらに崩壊したとみられる、と米航空宇宙局(NASA)が29日発表した。彗星の研究者も「予想外」と驚く突然の出来事。内部でガスが発生したとの見方もあるが、消滅の詳しい原因は分かっていない。

太陽系の遠方からやってきたアイソン彗星は29日午前4時ごろ、太陽の直径より短い約110万キロまで太陽の表面に近づき、かすめるように通過するとみられていた。

NASAなどの観測によると、太陽に最接近する際、いったん太陽の影に隠れた後に姿を現さなかった。アイソン彗星が現れるはずの場所に薄く細長い光が観測されており、直径5キロほどあった彗星が崩壊し100メートル以下の細かな破片に分かれたとみられる。

崩壊によって、12月初めに長い尾を引いた姿が観測できる可能性はなくなった。残った破片も、急速に氷などの成分が蒸発して早期に消滅する可能性が高い。

彗星に詳しい京都産業大学神山天文台長の河北秀世教授は「崩壊するとは思わなかった」と驚く。アイソン彗星の半分以下の距離にまで太陽に近づいた1965年の池谷・関彗星も大きく2つに分裂したが、今回のようにばらばらになることはなかった。

彗星は細かなちりが水やガスが冷えた氷で固まった「汚れた雪玉」でできている。これまでの観測で、アイソン彗星は通常の彗星に比べてちりの割合が半分以下と少なかった。

ちりが少ないと彗星の核が崩れやすくなる。太陽に近づいた彗星の中でガスが発生したショックで、彗星がばらばらになった可能性もある。

太陽に近づく前に彗星の核が崩れ始めているように見える観測結果もあった。アイソン彗星は「普通の彗星にはない挙動をした」(河北教授)といい、崩壊だけでなく多くの謎を残した。

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