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テロ情報掲載本、出版禁止 東京地裁が仮処分

掲載者の申し立て受け

インターネット上に流出した警視庁が作成したとみられる国際テロの捜査情報を出版社「第三書館」(東京・新宿)が出版した問題で、東京地裁は29日、流出文書の全文を掲載した書籍に名前や顔写真を掲載されたイスラム教徒数人の申し立てに基づき、同社に対し、出版と販売を禁止する仮処分を決定した。代理人によると、同地裁の田代雅彦裁判長は「書籍は申立人らのプライバシー権を侵害している」とした。

仮処分申し立てについて記者会見する原告側の河崎弁護士(右)ら(29日、東京・霞が関の司法記者クラブ)

代理人によると、同地裁は(1)書籍は公共の利害に関する事項にかかるものといえるか(2)公益を図る目的があるか(3)申立人が回復不可能な損害を被る恐れがあるか――を検討。「仮に情報流出を問題にするとしても、公人ではない申立人の個人情報は公共の利益にかかわるといえず、公開が公益を図る目的によるものではないことは明らかだ」とした。

その上で「書籍が出版されれば、プライバシーが侵害され、損害の回復は著しく困難」と判断。インターネット上で同じ情報を取得することができる状況にあるとしても、「個人情報をみだりに公開されない利益はなお失っていない」と結論づけた。

書籍は25日に約2000部が出版された「流出『公安テロ情報』全データ」。全469ページに外国人の捜査協力者らの個人情報など捜査資料114件が掲載されている。

代理人によると、仮処分の申し立ては28日付。代理人は29日時点でも複数の書店で書籍が販売されているとして、出版物の取次各社に対し、書籍の流通・販売を自粛するよう求める文書を配布した。

また申立人の一人は同日、代理人を通じてコメントを公表。「本件の元凶は警視庁にあるのに、当事者自身は一向にそれを認めようとしない。捜査協力者が容疑者扱いされたこと自体が理不尽で悲しい出来事だ」と警視庁の姿勢を批判した。

一方、仮処分の申し立てを受け、「第三書館」の北川明社長は日本経済新聞社の取材に対し、「弁護士と相談して対処したい」と話した。

警視庁は「流出したのが内部文書かどうかも含めて調査中」としており、第三書館側に抗議などはしていない。

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