学習障害は「学習症」 精神疾患、病名に新指針
アルコール依存症は「使用障害」
日本精神神経学会は29日までに、精神疾患の病名の新しい指針を公表した。読み書きが困難な学習障害は「学習症」、アルコール依存症は「アルコール使用障害」などに変更。差別意識や不快感を生まないようにし、病名を周知させる狙い。
日本精神神経学会は医療施設や関係する学会などに周知し「徐々に浸透させたい」としている。
米国の精神医学会が発行する精神疾患の新たな診断基準「DSM-5」が昨年策定されたのに伴い、英語の病名の翻訳でさまざまな用語が混在しないよう、関連学会と統一用語を検討した。
指針では、子どもや若い世代の病気を中心に「障害」を「症」に言い換えた。不安感や動悸などが起こるパニック障害は「パニック症」に、注意力の欠如や落ち着きのなさを主症状とする注意欠陥多動性障害(ADHD)は「注意欠如多動症」とした。
身体と意識上の性が一致しない性同一性障害は「性別違和」、対人関係がうまく築けないアスペルガー症候群や自閉症は「自閉スペクトラム症」に統一された。
今後調査研究が必要な新しい病態として「カフェイン使用障害」「インターネットゲーム障害」も盛り込んだ。〔共同〕