2019年1月16日(水)

「自分は大丈夫」過信禁物 振り込め詐欺被害者像、警視庁分析

2012/10/30付
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「自分は大丈夫」との過信は禁物――。振り込め詐欺の被害者像が29日、警視庁が被害者や家族から聞き取り調査した結果で明らかになった。30~50代の息子や孫がいる高齢女性を中心に満遍なく被害に遭っており、家族と同居している人や、周囲が判断力に問題がないとみていた人も油断できないという。同庁は「子供と定期的に連絡を取っている人でもだまされる可能性がある」と注意を呼びかけている。

調査対象は(1)オレオレ詐欺(2)還付金詐欺(3)架空請求詐欺(4)融資保証金詐欺――など被害者と対面せずに電話などで金の支払いを持ちかける手口の詐欺。同庁は、今年5~7月に被害届(未遂を含む)を受理した東京都内在住の65歳以上の318人とその家族からの聞き取り結果を分析した。

被害者は81%が女性。全体のうち、一人暮らしは31%で、夫や家族と同居している人が62%だった。独居高齢者が被害に遭いやすいというイメージと異なり、同居親族がいても安心できない実態が明らかになった。

家族への調査では、回答した163人のうち「被害者の判断力や記憶力に問題がないと考えていた」人が71%にのぼり、家族が「だまされるかもしれない」と思っていたケースは6%だけ。被害者自身も92%は「自分は大丈夫だと思った」「考えたこともなかった」と回答。過去に同種被害に遭ったことがある人は4%だった。

オレオレ詐欺では、犯人が息子をかたるケースが79%で、孫は11%。被害者の82%は息子や孫が30~50代だった。被害者の57%が1週間から1カ月に1回以上、息子らと連絡を取っており、音信不通の人だけが被害に遭うわけではない。

中には、自宅の2階に息子が在室していたにもかかわらず、危うくだまされかけたという女性のケースもあったという。

被害者の45%は「被害防止について家族と話し合ったことがある」と振り返っており、日ごろから注意していた人もだまされていた。

調査結果について、内藤佳津雄・日本大教授(認知心理学)は「電話の声は聞き取りにくく、いったん親族と思い込むと別人とは考えなくなる」と指摘する。警視庁幹部は「家族との電話の合言葉を決めるなど事前の対策が必要。役所をかたって『お金が戻る』と電話がかかってきたら、100%詐欺と考えてほしい」と注意を促している。

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