2019年2月20日(水)

耐震偽装ホテル訴訟 二審は愛知県の責任認めず

2010/10/29付
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姉歯秀次元1級建築士による耐震強度偽装事件で、強度不足が発覚した「センターワンホテル半田」(愛知県半田市)が建物の解体に追い込まれたとして、建築確認をした愛知県と開業指導したコンサルタント会社を相手取り、総額2億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決が29日、名古屋高裁であった。岡光民雄裁判長は「県に過失はなく、注意義務違反には当たらない」として、一審名古屋地裁判決を取り消し、県の責任を否定した。

一方、コンサル会社「総合経営研究所」(総研、東京・千代田)については「設計会社への監督義務を怠った」として、県と同社などに計約5700万円の賠償を命じた一審判決を変更し、同社にのみ約1億6千万円の支払いを命じた。

県の責任をめぐっては、建築確認審査の範囲が争点となった。一審は「県の審査義務は法令に明示された事項に加え、明らかに構造上の安全性を欠く建築物であるかどうかにも及ぶ」としたが、岡光裁判長は判決理由で「審査には限界があり、法令が定めていない事項については原則として審査は不要」と指摘。その上で「審査をする建築主事が故意や重過失で違反を見逃したとはいえず、注意義務違反には問えない」とした。

耐震強度偽装事件をめぐっては、東京、京都、福岡など全国各地で建築確認審査をした行政側の過失を問う訴訟が起こされている。ただ、名古屋地裁を除くいずれの判決も「事件発覚当時は建築士によって偽装行為がなされる事態は全く想定されていなかった。建築確認審査は裁量性のない形式的なもの」(大阪高裁)などとして訴えを退けている。

二審判決によると、同ホテルは愛知県の建築確認を経て着工。2002年に開業したが、05年に耐震強度不足が判明したためホテルを建て直し、07年4月に営業を再開した。

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