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京大元教授、研究費流用の疑い ゲノム創薬の専門家

京都大大学院薬学研究科の元教授が、国が支給する新薬の研究開発費数百万円を不正流用した疑いがあるとして、東京地検特捜部は29日までに、業務上横領の疑いで京都大など関係先を家宅捜索した。特捜部は関係者の事情聴取を進め、資金の使途などの解明を急いでいるもようだ。

関係者の話によると、元教授は国が支給する公的研究費を使い、新薬の開発に使用する物品などを東京の取引業者に架空発注。業者側にプールした代金を還流させ、数百万円を私的に使用した疑いが持たれている。

元教授はヒトゲノム(全遺伝情報)に基づき病気ごとに特有の遺伝子の変化を見つけ、新薬開発につなげる「ゲノム創薬科学」の専門家。2002年5月に京都大大学院の薬学研究科教授に着任し、10年4月に同科内に設置された「最先端創薬研究センター」のセンター長に就いたが、今月28日付で辞職した。

同センターは13年度末までの4年間で国から総額34億円の助成金を受けることが決まっている。

京大広報・社会連携推進室によると、家宅捜索を受けたのは5月下旬。その後、学内に調査委員会を設置し、事実関係を調べているという。

物品を架空発注して業者に代金を預ける「預け金」などの方法を使った公的研究費の流用は1990年代以降、複数の大学などで相次ぎ表面化。京都大では97年、薬学部や農学部など9部局で不正経理が明らかになった。

内閣府や文部科学省、厚生労働省は2005年9月、不正行為に対し、応募資格の停止や研究費返還などの対応を盛り込んだ統一指針を作成。しかし、不正経理は後を絶たず、文科省は昨年、全国の国公私立すべての大学・短大を一斉調査。38大学・短大と2研究機関で「預け金」などの行為が判明した。

特捜部は国による統一指針などの作成後も、元教授が流用を続けていた経緯を悪質と判断し、強制捜査に乗り出したもよう。業者側から不正な利益提供を受けていなかったかどうかについても調べを進めるとみられる。

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