女児遺棄、母に猶予判決 大分地裁「責任重いが反省」
大分県日出町で昨年9月、2歳の長女の遺体を遺棄したとして、死体遺棄罪に問われた無職の山口(旧姓江本)優子被告(35)に、大分地裁(真鍋秀永裁判長)は29日、懲役2年、執行猶予3年(求刑懲役2年)の判決を言い渡した。
判決理由で真鍋裁判長は「女児の尊厳と家族らの敬愛を著しく害した犯行で刑事責任は重いが、結果的に自白して家族らに謝罪しており、反省している」と述べた。
判決によると、山口被告は昨年9月13日朝、自宅で長女の琴音ちゃんが死亡しているのを発見。遺体を自家用ワゴン車に乗せて日出町内を走り回った後、同町内の墓地に近い雑木林に遺棄した。
検察側は論告で「被害者の尊厳と親族の心情を著しく害した。刑事責任は重い」と主張。山口被告は起訴内容を認め、弁護側は執行猶予付きの判決を求めていた。
捜査関係者によると、山口被告は県警の取り調べで「朝起きて自宅2階に上がると、寝室で毛布にくるまった状態で死亡していた。気が動転して遺体を捨てた」と供述。目撃証言や物証がない上、遺体は骨しかないため死因も分からず、県警や大分地検は死亡の経緯の解明を断念。公判でも触れられなかった。〔共同〕