山本作兵衛の画文集復刊 記憶遺産登録で新装版に

2011/7/29付
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福岡・筑豊出身の絵師、山本作兵衛(1892~1984年)の炭鉱画が国連教育科学文化機関(ユネスコ)の記憶遺産に登録されたことを受け、講談社が画文集「炭鉱に生きる 地の底の人生記録」を新装版で復刊し、29日に全国発売した。1785円。

1967年に初版が発行されたが、その後絶版となっていた。

作兵衛の文章が、苦しいことも多かったヤマの生活を詳細に伝え、親しみやすく緻密な絵は、労働や風俗、伝説に至るまで幅広い。新装版では詩人の金子光晴(故人)や作家、石牟礼道子さんが過去に寄せた書評、エッセーも収録した。

新装版の装丁を手掛けたのは、イラストレーターの南伸坊さん(64)。南さんは美術の専門学校に通っていた20代の時、作兵衛と交流があった画家、菊畑茂久馬さんの授業で炭鉱画を模写し、東京を訪れた作兵衛と宴席を囲んだことがあった。

南さんは「写してみて、作兵衛さんが細部まで丁寧に観察して絵を描いていることが分かった。『絵を描きたい』『伝えたい』という気持ちが作品にこもっていた。その力強さに、影響を受けた」と思い出を語る。

作兵衛作品の遺産登録に携わった田川市石炭・歴史博物館(福岡県)の安蘇龍生館長(71)は「記憶遺産登録はまだまだ全国に知れ渡っていない。復刊がきっかけの一つになればいい」と期待を込めた。〔共同〕

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