2018年9月20日(木)

寄生虫エキノコックス、本州で感染拡大の兆し

2014/5/29付
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寄生虫エキノコックスの幼虫=神谷晴夫氏提供・共同

寄生虫エキノコックスの幼虫=神谷晴夫氏提供・共同

 人が感染すると重い肝障害を起こす寄生虫エキノコックスが本州に拡大する兆候が出ている。エキノコックスの流行は国内ではキツネが多い北海道だけと考えられてきたが、道外でも感染の報告が続き、4月には愛知県で野犬のふんから卵を検出した。専門家は「このまま放置すると危険だ」と警告する。

 愛知県によると、ふんから卵が見つかったのは同県阿久比町の山間部で捕獲した野犬。人に全く懐かず、北海道から連れてきたペットとは考えにくいことから、周辺で感染が広がっている恐れがあるとしている。

 国立感染症研究所寄生動物部の森嶋康之主任研究官は「犬が北海道から寄生虫を運んで広げているのではないか」と分析。フェリーなどで海を越えたペットの往来は盛んになっており、「飼い犬が感染すると、人への感染源になり得る」と危機感を強める。

 2013年度まで、国内でのエキノコックス症の感染報告は約600人。北海道が8割以上を占める。次に多い青森県は20人以上が確認されている。北海道や海外の流行地に住んだことがない人の発症例が青森県のほか東京都や沖縄県でもあるが、道外では詳しい調査がなく、感染の実態は分かっていない。

 北海道によると、成虫が寄生するキツネの道内の感染率は1990年度までは高くても20%台だったが、現在は40%前後で推移している。

 酪農学園大の神谷正男特任教授(環境動物学)は「キツネの感染率が高いと、犬に感染する危険が増す」と指摘。「犬の移動実態を調べ、他の都府県にエキノコックスがどの程度広がったかを把握し、広い範囲で駆虫剤散布などの対策を取るべきだ」と話す。

 ▼エキノコックス サナダムシの一種の寄生虫。幼虫を宿した野ネズミを食べたキツネや犬の腸で成虫に育ち、卵がふんと一緒に排出される。卵が人やサルなどの口から体内に入り寄生するとエキノコックス症になり、数年から十数年の潜伏期間を経て重い肝障害を起こす。感染部位を切除すれば治るが、長期間自覚症状がないため、発見が遅れて死に至ることもある。人の体内では幼虫のままで卵が作られず、人から人へは感染しない。

〔共同〕

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