漫画「美味しんぼ」、福島原発訪問の鼻血描写に批判
小学館の漫画誌「週刊ビッグコミックスピリッツ」の28日発売号に掲載された人気漫画「美味しんぼ」の中に、東京電力福島第1原子力発電所を訪れた主人公らが原因不明の鼻血を出す場面があり、同誌編集部に相次いで批判が寄せられていることが29日までに分かった。
編集部は「鼻血や疲労感が放射線の影響によるものと断定する意図はありません」などとするコメントを同誌のホームページで発表した。
掲載されたストーリーは、主人公の新聞記者たちが同原発の取材後に鼻血を出したり疲労感に見舞われたりする描写の後、福島県双葉町の前町長が「福島では同じ症状の人が大勢いますよ」と明かすという設定。主人公を診察した医師は「福島の放射線とこの鼻血とは関連づける医学的知見がありません」と話す。
同編集部は「綿密な取材に基づき、取材先や作者の実体験について医師に見解を問う展開となっている」とした上で、これまでの連載では無理解による風評被害を批判してきたと説明している。〔共同〕