国産マツタケ猛暑で7割減 11年、2番目の少なさ
秋の味覚、マツタケの2011年の国内生産量が前年に比べ74%減り、09年に次いで過去2番目に少ない36トンにとどまったことが29日、林野庁のまとめで分かった。夏の猛暑が主な要因で、生産量が最も多い長野県が84%減の13.9トンとなるなど、主要産地で軒並み落ち込んだ。
岐阜県と、東京電力福島第1原発事故による出荷制限も影響した福島県は生産量がゼロとなった。減少率が大きいのは山形県(93%、0.1トン)、岩手県(81%、5.4トン)、石川県(78%、1.4トン)など。岡山県は台風による降雨が好条件となって29%増の2.7トンだった。
マツタケは地面の温度が上がると生えにくくなる。残暑が厳しかったことも響いたという。輸入物も含めた市場価格が高騰し、東京都中央卸売市場によると、1キログラム当たりの平均で10年比1.5倍の7900円だった。
林野庁によると、国内生産量は1941年の1万2千トンが最大で、長期的には減少の一途をたどっている。マツタケが生えるアカマツ林を枯らす害虫被害の増加とともに、生育に適した土壌を維持するための落ち葉かきといった山林の手入れが、過疎化により困難になっているためだ。
林野庁は「キノコは山村の貴重な収入源。生産量回復に向け作業の省力化や労働力の確保といった対策を講じていきたい」としている。〔共同〕