吉良邸討ち入りの配置図、宮内庁がHPで公開へ

皇室に伝わる古文書など約39万点を所蔵する宮内庁書陵部の図書寮文庫が、歌舞伎「仮名手本忠臣蔵」の題材で知られる赤穂浪士の吉良邸討ち入りに関する資料6点を、12月2日から同庁のホームページ(HP)に初めて掲載する。
討ち入り事件は、江戸城内で吉良上野介に切りかかり切腹となった赤穂藩主浅野内匠頭の敵討ちのため、大石内蔵助や堀部安兵衛ら赤穂浪士47人が翌年の元禄15年12月14日(1703年1月30日)、現在の東京都墨田区にあった吉良邸を襲撃した。
公開されるのは討ち入り時の「吉良上野介屋敷図」や、内蔵助らが幕府に事件の経緯を語った「浅野内匠頭家来口上書等」など。江戸後期から幕末に作られた写本で、明治以降に収集家らから皇室に献上された。
細かい間取りを示した屋敷図には、討ち入り時の各浪士の配置が赤い文字の名前で記されている。浪士たちは吉良邸の東西に分かれ、内蔵助は東の表門近くに、堀部や大石の長男、主税は裏門がある西側に見て取れる。記載がない5人は、写し漏れや配置場所が不明だった可能性がある。1830年の写本で、100年以上前の事件に対する関心の高さを示す貴重な資料だという。
図書寮文庫は11月から、宮内庁HPで所蔵古文書をデータベース化した目録と一部のデジタル画像を公開。今回の資料はギャラリーのコーナーに1カ月ほど掲示する。〔共同〕
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