2019年1月17日(木)

メーデー、雇用・将来に不安の声 未内定の学生「働きたいのに」

2010/4/29付
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各地のメーデーでは賃金引き上げや格差解消などが掲げられる一方、働く以前に就職活動の壁に阻まれ「労働者になれない」若者たちは、今も将来に不安を抱えたままだ。長引く不況で企業側の採用は絞り込みが激しくなっており、長く苦しむ若者も多い。

「1年生のころは簡単に就職できると思っていた」。今春、湘南工科大(神奈川県藤沢市)を卒業予定だった男性(22)は、今も大学の就職課に通う。就職が決まっていない学生向けに大学が緊急導入した卒業延期制度を利用し、今も大学に籍を残す。

男性はコンピューターを学ぶ学科に在籍し3年生の秋からシステムエンジニアなどを目指し100社近くを受験。だが、どの社も理系は数人から多くて20人程度しか採用せず、今春までに内定は取れなかった。

卒業を延期したのは「新卒でなければ就職希望のエントリーすらできない」ためだ。ただ最近は理系中心だった職種にも文系学生が流入しているといい「就職活動は激化する一方だ」と話す。

既卒者はさらに厳しい。早稲田大文学部を今春卒業し就職活動を続ける女性(23)は「既卒を採用する会社を探すだけでも大変」と肩を落とす。エントリーシートを出しても門前払いされることもしばしばだ。

4年生の時は出版社や食品会社などを中心に約20社を受験したが全滅。内定を取った友人を見て焦りが募る中、秋採用にも挑んだが、内定を得ることはできなかった。

就職氷河期に当たったのは運が悪いと思うが、「ぐちを言っても仕方ない」と日中を面接や筆記試験、夜は既卒者採用の企業探しやエントリーシート作成に励む。

今は学生時代のアルバイト代で食いつなぐ。地方に住む両親が毎月仕送りをしてくれるが「申し訳なくて使えない。貯金が底をつく前に何とか内定を取りたい」と話す。

卒業延期でも浪人でもない第三の道を選んだ若者もいる。今春に都内の大学を卒業した男性(23)は、人材派遣大手パソナの契約社員となった。

同社は4月から、内定を取れずに卒業した学生を契約社員として受け入れ、同社や提携先企業で実務経験を積む場を提供。男性は働きながら、正社員としての就職のチャンスを狙うつもりで「大学生活半ばから始まり、卒業時で内定がなければ『そこで終わり』の今の仕組みはおかしい。本来必要な勉強すらできなくなる」と漏らす。

学生の就職活動に詳しい本田由紀・東京大大学院教授(教育社会学)は「企業は卒業後、最低3年程度は既卒者を『新卒』として扱うよう採用要件を緩和すべきだ」と指摘。国や大学も「学生が卒業後も継続して就職支援サービスを受けられる体制を整える必要がある」と、就職できない若者へのセーフティーネット構築の必要性を強調している。

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