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「ユッケ出せない…」業界悲鳴 10月から新基準施行

「焼肉酒家えびす」の集団食中毒事件を受け、ユッケなどの生食用牛肉を扱う食肉処理業者や飲食店を対象にした厚生労働省の新基準が10月1日から施行される。「生の牛肉は食中毒の危険性が高い」として表面加熱を義務付け、罰則を新設する従来より厳しい内容の上、施行までの期間も短く、焼肉店関係者からは「ユッケは出せない」と悲鳴も上がる。

悪質なら刑事罰

新基準は、枝肉を小分けにして速やかに密封した後、湯せんなどで表面から深さ1センチ以上の部分を60度で2分以上加熱殺菌すると定めた。

対象はユッケと牛刺し、牛たたき、タルタルステーキ。飲食店は原則として処理業者から加熱処理した肉を仕入れ、表面を削り取る「トリミング」をして内側の生の部分を調理し提供する。違反すると営業停止のほか、悪質な場合は2年以下の懲役もしくは200万円以下の罰金が科される。

処理業者は施設を整備し、基準通り殺菌できるか検査を受けることが求められる。東京都の担当者は「準備期間が短く、10月に間に合う業者はいないのではないか。保健所も監視を強化し、安全が確認されるまでは出荷させない」と話す。

各地の焼肉店が加盟する全国焼肉協会の中井孝次事務局長は「流通がなければ、10月にはユッケを食べられる店はなくなる」と危機感を隠さない。現在もユッケを出し続けている東京都内の居酒屋の店員も「今後は仕入れができるかどうか…」と表情を曇らせる。

「1皿2千円」

罰則がなかった従来の基準でもトリミングが求められていたが、表面を加熱する新基準ではより多くの部分を削り取らなければならない。

関西を中心に焼肉店を展開する会社の実験では、従来基準で提供できるのは元の肉の8割程度だが、新基準では3~4割になると判明。この会社の担当者は「現在は800円前後のユッケが2千円を超えることもあり得る。これでは提供できない」と頭を抱える。

一方、レア(生)の焼き加減で提供されることもあるビーフステーキは「これまで食中毒の報告がない」(厚労省)として新基準の対象外だ。

焼き肉チェーン店「叙々苑」(本社・東京)は今夏、ユッケに代わる新商品「レアステーキ ユッケ味」をメニューに加えた。ブロック肉の表面を軽く焼いて薄くスライス、ユッケのたれで食べる。見た目は牛たたきそっくりだが担当者は「あくまでもステーキ」と強調、評判は上々という。

新基準の対象ではない牛タンのユッケを検討している焼肉店もある。

〔共同〕

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