トステム製窓に改修指示 国交省「防火基準満たさず」
「シンフォニー」、一戸建て中心に1万棟使用
国土交通省は28日、サッシ大手トステム(東京)が建築基準法に基づく防耐火構造の大臣認定を受けたとして製造・販売した窓が、実際は国の防火基準を満たしていなかったと発表した。一戸建て住宅を中心に全国1万棟で使用されており、国交省は同法の防火地域内での改修を指示した。
国交省によると、問題の製品はトステムが2003年10月~11年1月に販売したアルミと樹脂の複合構造の引き窓(商品名シンフォニー)。国の基準では火災時に20分以上の耐火性能が必要だが抜き打ち調査で屋外側は8分50秒、屋内側は12分15秒でガラスが外れた。
国交省は、認定された仕様と異なり、樹脂が熱で溶けた際にガラスの脱落を防止する機能に不備があったことが原因と判断。同社に窓の取り換えや防火シャッターの設置などで基準を満たすよう指示した。
トステムは「指摘を厳粛に受け止めている。既存住宅への改修や建築中物件への代替品供給などは万全の対応を図りたい」としている。
同じ構造の窓は社団法人「カーテンウォール・防火開口部協会」が一括して大臣認定を取得。昨年10月には三協立山アルミ製でも防火基準を満たしていないことが判明。ほかに「YKK AP」、新日軽、不二サッシでも製造しており、国交省は同協会に調査を指示した。〔共同〕