/

絶滅危惧種、沖縄のヤンバルクイナ 生息域回復

沖縄県北部に生息する絶滅危惧種の飛べない鳥ヤンバルクイナが、分布域を回復しつつある。天敵の外来種マングースの捕獲作戦が順調に進んでいるためだ。一方で、車にひかれる事故が増え、人との共存という新たな課題も出てきた。政府は固有種が多いこの地域の世界自然遺産登録を目指しており、希少種の保護計画作りを進めている。

沖縄県国頭村の展示施設で公開されている、人工ふ化のヤンバルクイナ(2013年12月)=共同

「やんばる」と呼ばれる沖縄本島の北部地域にだけ生息するヤンバルクイナは1981年、新種と発表され全国的に話題になった。だが、ハブ退治のため100年前に輸入されたマングースに捕食されて減少。85年に推定1800羽だったのが半分以下に落ち込んだ。

国と県は2000年度から、わなや探索犬を使いマングース捕獲を開始。これが功を奏して12年度の推定個体数は1500羽まで回復した。

山階鳥類研究所の尾崎清明副所長は「同じクイナ科のグアムクイナはほとんどいなくなってから保護活動が始まったが、こちらのスタートは早かった」と指摘する。

だが、環境省の山本以智人自然保護官は「楽観できない。持続的取り組みが必要」と強調する。ここ数年、マングースの捕獲数は年間200匹ほどでピーク時の3分の1に。「かなり減ったが、ここで手を抜けばまた増えてしまう」と話す。

生息数の回復とともに森にいたヤンバルクイナが集落近くや道路脇に現れるようになったとの指摘も。交通事故は年々増加し、12年は過去最悪の47件になった。

国や県は目撃情報が多い場所に注意喚起の看板を設置、安全に渡れるよう車道の下に専用の通り道を設置した。それでも13年の事故は35件で、まだ多い状況だ。

やんばる地域には、ヤンバルクイナ以外にも、キツツキのノグチゲラや日本最大の甲虫ヤンバルテナガコガネといった固有種が生息している。

政府は「多くの固有種・希少種を含む多様な動植物の生息地になっている」と説明。この地域や奄美大島(鹿児島県)を含めた「奄美・琉球」の世界自然遺産登録に向けた作業を進める。

環境省は10年間のヤンバルクイナの保護実施計画をまとめている最中だ。山本さんは「具体的な保護計画を策定し登録を目指したい。専門家から課題や優先度を聞いており、ほかの希少種の保護計画作りにも生かしたい」という。〔共同〕

すべての記事が読み放題
有料会員が初回1カ月無料

セレクション

トレンドウオッチ

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

新着

注目

ビジネス

暮らし

フォローする
有料会員の方のみご利用になれます。気になる連載・コラム・キーワードをフォローすると、「Myニュース」でまとめよみができます。
新規会員登録ログイン
記事を保存する
有料会員の方のみご利用になれます。保存した記事はスマホやタブレットでもご覧いただけます。
新規会員登録ログイン
Think! の投稿を読む
記事と併せて、エキスパート(専門家)のひとこと解説や分析を読むことができます。会員の方のみご利用になれます。
新規会員登録 (無料)ログイン