釜石市、仮設住宅を3分の1に 16年度までに集約
東日本大震災の津波で大きな被害に遭った岩手県釜石市は28日、市内に66カ所ある仮設住宅団地を、2016年度までに約3分の1の21カ所へ集約する計画案を発表した。自力での住宅再建や災害公営住宅への入居で退去者が増え、コミュニティーの維持が難しくなると見込まれるため。
仮設住宅の大掛かりな集約計画案を発表したのは岩手、宮城、福島3県の自治体で初めて。被災地で同様の動きが広がる可能性が高く、転居を迫られる住民の支援が大きな課題になる。
釜石市の仮設住宅は27日時点で3158戸あり、被災者の入居率は約76%。撤去や規模縮小の対象となる46カ所では、今後3年間で半分ほどが自力再建などで退去するとみられ、すぐに移転先が見つからない住民は付近の仮設住宅に引っ越してもらう。
市は4月に入って2カ所の住民約100人を対象に説明会を開き、大筋で了承されたという。ただ、転居費の補助はなく、支援策は荷物運びの手伝いなどに限られる。
野田武則市長は記者会見で「集約は避けて通れない。最低限度の転居とすることに努めたい」と理解を求めた。〔共同〕