富士山「弾丸登山」、登頂成功率低い 岩手大調査
7月1日に山開きを迎える富士山で、登山口の5合目から睡眠を取らずに山頂に向かう「弾丸登山」に挑んだ人のうち、登頂できたのは86.5%にとどまり、途中で山小屋に1泊した人の94.6%より低いことが、岩手大の山本清龍准教授らが28日までにまとめた論文で分かった。同准教授は「良い登山体験のためにも計画に余裕を持ってほしい」と話している。
調査は2010年8月、山梨県側の吉田口登山道へ下山してきた18歳以上の414人が対象。
5合目を午前0時前後に出発して頂上でのご来光を目指す「弾丸登山」は全体の3割に当たる126人で、山頂に到達できたのは109人。1泊した場合は278人のうち263人が成功した。山小屋への宿泊の有無は404人が答えた。
山小屋に泊まった人も含め、途中で断念した理由は吐き気や頭痛など高山病の症状が多かった。
山梨県富士吉田市によると、昨年夏に8合目の救護所が診療した登山者の6割が高山病だった。同市は「弾丸登山は身体が慣れないまま一気に登るので高山病になりやすい」と説明している。〔共同〕