2019年2月21日(木)

「請求権放棄の市議会議決は適法」 神戸市の違法公金支出訴訟

2012/9/28付
保存
共有
印刷
その他

地方自治体の違法な公金支出と裁判で認定されたのに、首長に対する賠償請求権を放棄した地方議会の議決の有効性が争われた神戸市の住民訴訟の差し戻し控訴審判決で、大阪高裁は27日、「市議会の議決は適法」として住民側の請求を退けた。

最高裁は4月、「公金支出の性質などを総合考慮し、請求権の放棄が不合理で裁量権の逸脱や乱用に当たる場合は違法」と一定の制約を設ける初判断を示した。その上で、神戸市や大阪府大東市、栃木県さくら市の住民訴訟計5件について「議決の適法性についての審理が尽くされていない」と判断し、地裁や高裁に差し戻していた。5件のうち判決は初めて。

神戸市は2004~05年度、3つの外郭団体に派遣した職員の人件費に充てるため補助金約2億5千万円を支出。最高裁は09年12月、違法と認める決定をしたが、市議会が同年2月、矢田立郎市長や外郭団体への請求権を放棄する改正条例案を可決しており、市が賠償請求しなかった。このため住民側は10年3月、請求を怠ったことの違法確認を求め、提訴した。

大阪高裁の前坂光雄裁判長は判決理由で、今年4月の最高裁判断を踏まえた上で、「派遣職員によって拡充された各団体のサービス提供で住民に利益が還元されている」として補助金には公益性があったと認定。「請求権の放棄が不合理とは認めがたく、議決は裁量権の乱用には当たらない」と判断した。

保存
共有
印刷
その他

関連キーワード

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報