最後の避難所から全員退去 福島・双葉の町民
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故による最後の避難所、旧埼玉県立騎西高校(加須市)に残っていた福島県双葉町の町民5人全員が27日、避難所を退去し、新たに確保した借り上げ住宅などに移った。

2011年3月30日の開設から約2年9カ月。校舎での寝泊まりが続く異例の避難所生活が終わった。11年4月の最も多い時で、1423人が身を寄せていた。
双葉町によると、町民が校舎内に残している荷物の運び出しや、町役場が使っていた備品の整理などをする必要があるため、避難所の完全な閉鎖は来年3月ごろになる。年末年始は校舎が無人になることから、防犯のため施錠した。
3階の教室で暮らしていた女性(83)はこの日衣類などを運び出した。夕方、「長いことお世話になりました。ありがとう」と言って、校舎を出たという。借り上げ住宅に入り「学校には同じ境遇の友達がたくさんいた。学校がわが家のようで恋しい」と語った。
福島第1原発がある双葉町は11年3月11日に起きた事故で町民全員が避難。役場機能も福島県川俣町、さいたまスーパーアリーナを経て、廃校となっていた旧騎西高校に町民とともに移った。役場は今年6月、福島県いわき市に移転した。〔共同〕