2019年2月23日(土)

司法試験合格者「3000人」撤廃へ 中間提言案公表

2013/3/27付
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政府の法曹養成制度検討会議(座長・佐々木毅学習院大教授)は27日、司法試験の合格者数を「年間3千人程度」とした政府目標の撤廃などを盛り込んだ中間提言案(座長私案)を公表した。この日開かれた会合では、私案に新たな目標合格者数が示されなかったことなどを巡り、委員から批判が続出。望ましい法律家の育成像を今後どう打ち出すかが課題になる。

「現状の約2千人の合格者でも弁護士の就職難は深刻。具体的な目標を明示すべきだ」。東京・霞が関の法務・検察合同庁舎で27日開かれた第11回会合。「現実性を欠く」として政府目標の廃止を求めながら、新たな数値目標がない私案に約20人の委員から反発の声が相次いだ。

新司法試験は原則、法科大学院の修了者のみに受験資格を与える仕組みだ。導入翌年の2007年以降、新旧合わせた合格者数は2千人台前半で推移。目標の3千人には及ばないものの、10年前に比べると倍近くに増え、法曹人口も法科大学院制度が始まった04年から5割増加した。

最大の問題は合格者増に伴う就職難だ。日本弁護士連合会によると、昨年12月に司法修習を終えた人のうち就職先となる法律事務所などが見つからず、弁護士登録を見送った人は26%に上り、調査開始の07年(4%)から5年連続で上昇した。

国学院大法科大学院の四宮啓教授は「法律事務所に勤務し、裁判実務経験を積むという従来の弁護士のキャリア形成のあり方が問われている」と指摘。合格者が増えれば働き口が得られず、未経験の質の低い弁護士が司法サービスを担う――。そんな懸念が現実味を帯びつつある。

私案のもうひとつの柱である法科大学院の統廃合を巡っても議論は紛糾。「定員が多すぎる」と分析し、自主的な定員削減などを促すため、補助金の減額や裁判官ら教員派遣の中止を提言。修了者に与える受験資格を制限するなどの法的措置も検討課題として挙げたが、「強制措置はやり過ぎ」「合格率が低い学校は自覚が足りない」と委員の意見も割れた。

学費などの経済的負担の重さに、司法試験の合格率低下や就職難が加わり、法科大学院の志願者数は制度開始時の4分の1まで激減。司法界への窓口が法曹離れの象徴に変わる一方で、法科大学院を修了しなくても司法試験の受験資格が得られる予備試験の受験者は増えている。しかし、私案には法科大学院再生に向けた具体策も示されていない。

検討会議は私案をもとに7月までに最終報告をまとめる方針だが、「国民にとって身近で使いやすい法律サービスの実現」という司法制度改革の理念に沿った結論を導き出すまでは、今後も困難が予想される。

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