秀吉、天下統一夢見た石垣 滋賀・水口岡山城の山頂に
豊臣秀吉が重臣に築かせた水口岡山城跡(滋賀県甲賀市)で、城のあった山頂付近を広範囲に囲む石垣が見つかり、市教育委員会が27日、発表した。
築城された1585年は秀吉の天下統一の途中にあたり、調査した滋賀県立大の中井均准教授(日本考古学)は「当時としては最先端技術だった石垣を巡らせており、秀吉が東国制覇の足掛かりとしてこの城を重視したことが分かる」としている。
城は高さ283メートルの山の頂上にある。石垣は、本丸などの主要部から20~30メートル低い位置で見つかった。城がある山頂周辺が広い範囲で高さ1.5~2メートルの石垣で囲まれていた可能性が高いといい、労力や技術をかけて築城されたことが分かるという。
城主の長束正家が1600年の関ケ原の戦いで敗れた西軍だったため、廃城となった。市教委によると、壊された石垣の石がそのまま残っており、破壊された様子も分かり珍しいという。〔共同〕