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海運の「ヒヤリ」、初の事例集 国交省まとめ

発生件数の高止まりが続く海難事故の減少を目指し、国土交通省は事故にまで至らなかったトラブル「ヒヤリ・ハット」の事例集や再発防止に向けた対策を初めて冊子にまとめた。海運業界は約9割が中小事業者で、航空・鉄道大手のような自前の安全対策を確立できていない。冊子は海ならではのトラブル約90件を紹介、原因分析の方法など再発防止の手引も盛り込んだ。

海上保安庁によると、日本の周辺海域では昨年で2549件の船舶事故が発生。船の種類別ではモーターボートなど個人が趣味で使う「プレジャーボート」が1013件で最多だが、貨物船やタンカー、旅客船といった運輸事業者の合計も475件あった。

船舶事故総数は過去5年間、2500件前後で推移しており、同省担当者は「注意不足や判断ミスが多く、減らせる余地は大きい」とみている。

同省が2006年から実施している安全管理の取り組み状況評価では、昨秋までに調査した航空、鉄道、自動車も含めた約820事業者のうち、ヒヤリ・ハット事例が活用されていたのは大手の67%に対し、中小は9%。海運業界は法令で安全管理規定の提出義務がある約4千事業者のうち87.5%が中小で、他の運輸業界に比べても対応の遅れが目立つという。

今回まとめた冊子では、実際に起きた海上のヒヤリ・ハット事例のうち「逆光と海面反射で船舶の発見が遅れ、衝突しそうになった」「貨物の荷揚げ中、高速艇が通過した際の波で荷崩れしそうになった」といったトラブルを約90件掲載した。

航海中のカーフェリー内で駐車した自動車同士が接触したトラブル例では、指さし点呼や車両止めの確認を怠った従業員の心理状況、上司の管理責任などをチャート図に沿って分析する方法を紹介。ほかに従業員が手軽に報告できるチェック形式の提出書の作り方も盛り込んだ。

同省は昨年4月、タクシーや運送業など中小が多い自動車の運輸事業者向けに同様の冊子を作製。「発生から再発防止までの手順が体系的に理解できた」などと反響があったため、第2弾として「海運編」をまとめた。

同省の担当者は「企業の安全対策は一歩目を踏み出せば軌道に乗ることが多い。実例を参考にして意識を高め、できることから取り組んでほしい」と話している。

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