震災後に心不全が急増 宮城県、津波で薬流失など原因

2012/8/28付
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東日本大震災後、宮城県内で心不全や脳卒中など心血管疾患が急増したことが、東北大大学院医学系研究科の下川宏明教授(循環器内科)らの研究で分かった。下川教授によると、震災後に心不全が急増していることがデータで裏付けられたのは初めて。今後の災害医療への貢献が期待できるとしている。

研究成果は、ドイツで開催中のヨーロッパ心臓病学会年次学術集会で28日に発表する。

研究では、震災の4週間前から震災15週後までに宮城県内で救急搬送された全ての記録を精査し、過去3年間の同時期の記録と比較した。心不全、急性冠症候群(ACS)、脳卒中、心肺停止、肺炎の5疾患について増減を調べた。

その結果、いずれも震災後に顕著な増加がみられ、中でも心不全は、震災前に週20~30件で推移していた搬送数が、震災後に2倍の50~70件に急増。その後も6週間ほど増加した状態が続いた。

また脳卒中と心肺停止は、震災後数週間でいったん減少するものの、マグニチュード(M)7.2を記録した4月7日の余震後に再び増加しており、揺れのストレスが影響したと考えられる。

下川教授は、心不全が増加した背景に著しい高齢化があるとした上で(1)津波による薬剤の流失(2)停電、断水と厳しい寒さ――なども原因になったと指摘。「保存食による塩分の過剰摂取や避難生活のストレスも影響するので、予防のためにも保存食の減塩化や避難所のストレス軽減策が必要」としている。〔共同〕

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