2019年6月18日(火)

ナチスの彫像、実は隕石 チベットから持ち帰る
胸に「卍」

2012/9/27付
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1930年代末にナチス・ドイツがチベットから持ち帰った彫像を調べてみると、宇宙から落下した珍しい隕石でできていた――。考古学者とナチスが登場する映画「インディ・ジョーンズ」を思わせるような劇的な研究結果を、ドイツやオーストリアの研究チームが米学術誌に26日発表した。

隕石でできていることが判明した、ナチス・ドイツがチベットから持ち帰った彫像=ドイツの研究チーム提供・共同

隕石でできていることが判明した、ナチス・ドイツがチベットから持ち帰った彫像=ドイツの研究チーム提供・共同

隕石の片面を削り出した彫像は「アイアンマン(鉄の男)」と呼ばれ、高さ24センチ、重さ10.6キロ。仏教の毘沙門天やヒンズー教の神がモデルで、少なくとも千年以上前に作られたとみられる。

チームによると、ナチス親衛隊(SS)隊長のヒムラーの命を受けた調査隊が38~39年にチベット付近で見つけ、ドイツに持ち帰った。胸にはもともと仏教などで吉祥とされる「卍」が刻まれており、アーリア民族の象徴として向きが逆のかぎ十字を掲げるナチスにとって貴重な発見。調査目的もアーリア民族の起源探しだった。

彫像は長く個人に所蔵されていたが、2007年にチームがサンプルの提供を受けて成分を調べると、ニッケルを多く含む珍しい鉄隕石の一種と判明した。地理的条件などから、モンゴルとロシアの国境近くで約1万5千年前に落下したチンガー隕石の破片から削り出されたとみられる。

隕石を宗教崇拝の対象とする例は世界的に多く知られており、チームは「彫像の作者もこれが特別な石だと気が付いていたのではないか」と推測している。論文のタイトルは「宇宙から来たブッダ」と名付けた。(ワシントン=共同)

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