2018年12月12日(水)

甲状腺被曝30ミリシーベルト以下 福島第1周辺の1歳児

2013/1/27付
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東京電力福島第1原発事故で、周辺の1歳児の甲状腺被曝(ひばく)線量(等価線量)は30ミリシーベルト以下がほとんどだったとの推計結果を放射線医学総合研究所(千葉市)の研究チームがまとめ、都内で27日に開かれた国際会議で発表した。国際原子力機関(IAEA)が、甲状腺被曝を防ぐため安定ヨウ素剤を飲む目安とする50ミリシーベルトを下回った。

甲状腺には放射性ヨウ素がたまりやすく、子どもは影響を受けやすい。1986年のチェルノブイリ原発事故後、周辺では子どもの甲状腺がんが急増した。

放医研の栗原治・内部被ばく評価室長らのチームは、事故直後に福島県内で実施した子ども約千人の甲状腺検査の実測値や、9市町村分のホールボディーカウンターによる全身の内部被曝線量、放射性物質の拡散予測を組み合わせ、各地の1歳児の甲状腺被曝線量を算出。全体の傾向を把握するための研究で、1歳児の90%の被曝線量を推計した。

最も高かったのは双葉町、飯舘村、いわき市で最大30ミリシーベルト。南相馬市、浪江、大熊、広野町、葛尾村は同20ミリシーベルト、川俣、富岡、楢葉町は同10ミリシーベルト、川内村やその他の地域は、同10ミリシーベルト未満となった。

1歳児と同時に、大人の甲状腺被曝線量も推計したが、飯舘村の20ミリシーベルトが最大だった。

栗原氏は「住民には安心できる材料だが、各個人の当時の行動までは反映していない。今後さらに精度を上げる必要がある」としている。

世界保健機関(WHO)は昨年、浪江町の1歳児の甲状腺被曝線量は100~200ミリシーベルトとの推計結果をまとめたが、福島県産の食品を食べ続けたと仮定するなど実態とかけ離れた設定で推計しており、WHOも「実態より高い値になっている」と説明していた。〔共同〕

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